「写ルンです」のカラーネガ自家現像

久々に触った写ルンです

以前、九州に旅行した際に、カメラや写真にまったく関心のない妻(スマホで食事や景色を撮る程度)が写ルンですを購入しました。
最初は面白がって撮影していましたが、27枚撮りで10数枚撮ったところで関心が薄れ(笑)、使い切らずにいました。
あれから数年(といっても2、3年)、レジャーのたびに「使い切ろうか」といいつつ持っていくのを忘れ、自宅のガラクタ入れにそのままになっていました。

一方で、カラーネガの自家現像に取り組んでいる私は、なんとなく内容が気になっていました。そこで、残りの数枚を撮ってしまって、現像してみることに・・。

写ルンですの分解

写ルンですの構造がまずわからないので、一番のポイントはまさかフィルムがむき出しで筐体に入っているかもしれない点。その点がちょっと恐怖でした。そしたらやっぱりいらっしゃるんですね、分解する方。その分解方法をさらっと学習した上で、自分も分解してみることにしました。

どうやら中にパトローネが入っており、そこに普通のフィルム写真と同様にフィルムが収まっているようです。それで遠慮なく分解、というか破壊。

本体裏側のシールを破くとフラッシュ用の電池室が。
電池蓋をこじ開けます

写ルンですの本体は、構造的にフィルムを入れ替えての2度使いはきびしいようです。
というのも電池室の蓋もフィルム室も本体のプラスチックを壊さないと取り出せないようになっているためです。また、最初に電池を取り出すのですが、古いオートフォーカスとかのカメラもそうですが、電池を抜いてからでないとフラッシュ部分の基盤が指に触れたときに感電します。結構痛いですよ。(以前、FUJIFILM TIARAか、CANONのか、コンパクトカメラ分解したとき感電してイラっとしてたら、また感電してコントみたいになったことあります、けっこう指痛いです。)※電池抜いても基盤にメモリ用の電気が蓄積されているものもあるので基盤はなるべく触れない方がいいかと思います。

電池の取り出しに成功

写ルンですのフィルム

次に写ルンですのフィルムを取り出します。当然ですが、フィルムはすべて使い切ってあることを確認してから分解しましょう。写ルンですは構造上、元々パトローネからフィルムがすべて出た状態で売られていて、1枚撮影するごとに巻き戻してパトローネに収まっていく仕組みになっています。最後まで使い切れば、そのままパトローネにすべて撮影フィルムが収まるイメージ。

電池室の横にフィルム室がある(当然か・・)

ここも結局はプラスチックを破壊しないとフィルムが取り出せないので、写ルンですの2度使いはできなそうです。

中からフィルムを取り出す
ISO400の27枚撮り、白いパトローネが新鮮
フィルム室の中はこんな感じ
反対側も破壊、空洞でした

フィルムを現像してみた

取り出したフィルムを現像してみました。ここから先は通常の手順通り。このあたりの手順とか、いつかまとめたいなと・・。

フィルムのベロ出し
現像タンクの中へ(パターソン使いやすいです)

現像工程は面倒なので、いや若干テーマからそれるので割愛しまして、以下、現像したフィルムです。
少し暗いですが一応形にはなりました。当時、若干曇っていたのとちょっと現像しくじったかもしれません(1枚めの桜島は夕方17時過ぎだったので暗い、滝も雨降りでしたし、たんぽぽも夕方でした、そのあたりは写ルンですの限界かと。昔はISO800とか1600のも売られていました、今はありません)。現像時思ったのは8分浴だとちょっと足りなかったかなという感じ、9分くらいでやればよかった。このあたりは試行錯誤中。他の写真は人物が写っているので出しませんが、明るいとこで撮ったものはわりとそれなりに写っていました。

原始的な仕組みですが、写ルンですはよくできています。これでかなりきれいな写真、というか作品を撮られてる方もいらっしゃいますし、あなどれません。
今回、分解の要領がわかったので、今度どっかへ行ったときも写ルンですをサブで使ってみようかと思いました(感想文レベル・・・)。




Kodak コダック エクタカラー RA 漂白定着補充液
コダック Kodak エクタカラーRA発色現像スターター (1.2L)[EKTARADEVST1.2L]
コダック Kodak エクタカラー RA 発色現像補充液 RT (10L)

カラーネガフィルムの自家現像 Vol.2(カラー現像液の作成)

20年2月3日の投稿で「カラーネガフィルムの自家現像Vol.1(薬品編)」という記事を書いたのですが、世界1アクセスが少ないブログに、いくつかのコメントを頂戴しまして、そういう意味では大変好評をいただいているのかなと思わなくもない今日このごろ、いかがお過ごしでしょうか?

時はコロナ禍の真っ只中(2020年3月〜4月)。私も3月末に在宅ワークの指令があり、4月いっぱいを自宅で過ごそうかという状況です。とりあえず仕事は細々とあるものの、スキマ時間を有効に使いたいとも思い、カラーネガフィルムの現像に使用する薬品の調合、工程を画像付きでメモってみようかなと思いました。

まぁ内容的には以前に書いた記事の肉付けでしかないですが、もう少し血の通ったというか(笑)、泥臭いというか、こんな感じよというのが具体的に伝わればと思います。今回は「現像液」の作り方なので、漂白定着液とか、実際の現像工程とかは他の記事にしようと思います。現像工程などは、家族との関係上さくっと対応しなければならないため、かなりシステマティックに(笑)開始から片付けまでを並行して完了できる手順にしてるので結構、書きたいことありますが、それは後日。

作成する薬品

発色現像液

・KODAK エクタカラーRA発色現像補充液 RT 10L(10L用)(補充液)
・KODAK エクタカラーRA発色現像スターター(1.2L原液)

上記の作成ということになるのですが、今回は保存用の溶液を作るだけなので、スターターの方はいれません。

コダック Kodak エクタカラー RA 発色現像補充液 RT (10L)
コダック Kodak エクタカラーRA発色現像スターター (1.2L)[EKTARADEVST1.2L]

調合の過程

まずは「KODAK エクタカラーRA発色現像補充液 RT 10L」のa、b、cの薬品を用意します。(写真は参考までにスターターも一緒に写っています。)

a、b、cの液。スターターは今回は使用しない。

自分は以下のような薬品用ポリボトルを用意して貯蔵しています。大きい方が1リットル、小さい方が500mlで、今回は1リットルを作成していきます。(500mlの方は半月ほど保存してたのでちょっと黒っぽい色に変色している。おそらく現像自体は可能かと思います。公式には6週間の保存が可能。)

ちょっと汚れてますが・・これに貯蔵している

ちなみに、今回作成するのは1リットルなのですが、その調合割合は以下のように設定しています。(あくまで私の場合です。各自、自己責任にてお試しください。こんなこといちいち書くのも世知辛いですけどねw)

1リットルの液の作成には、「KODAK エクタカラーRA発色現像補充液 RT 10L」のパートa,b,cの液を以下の割合で混ぜていきます。(スターターは現像時まぜるので保存時にはいれません。)

  • ・パートa液:40ml
  • ・パートb液:18.7ml
  • ・パートc液:40ml

事前に3〜400mlのぬるま湯をカップにいれておき、そこへ上記の割合で各液体を混ぜて、最後に全体が1リットルになるようにぬるま湯を足していき、保存液を作成します。実際に現像する際は、私の場合、1回にフィルム1本、小型タンクでの現像しかしませんので、250mlずつ使用していく形になります。(1リットルで4回/フィルム4本分の液体を作る感じ)

a、b、cの液体を順番に混ぜていく

まずは「パートa」の液。軽量カップに40mlを注ぎ、1リットル用のカップ(事前に3〜400ml程度ぬるま湯をいれておく)に注ぎます。

以下、1リットル分の40mlを計量します。

40mlぴったりに・・・。ある程度は目分量で。

注ぐと以下のような感じに。まだ単純に黄色っぽい液体ですが、これから変化していくことになります。

以下「パートb」の液を混ぜます。計量カップで18.7mlになるように注ぎます。

18.7ml、端数になると計量むずいですがそこはエイヤっです

パートbの液を入れると、以下のように色が赤色になります。撹拌してないので部分的に化学変化で色がまだらですね。

アップにすると上記のような感じ。南国系ジュースみたいできれいです。

最後に「パートc」の液を入れます。もの自体は無色ですね。これも1リットル分だと40mlを計量して入れます。

アップにするとこんな感じ。40mlの線のところまで。

パートcを入れるとちょっと色に変化が起きます。赤っぽかった液体が黄色のような緑のような感じの色に変化します。

ちょっと撹拌すると以下のように緑色に変化していきます。変化の過程がちょっと楽しいです。

撹拌しないとまだらな感じです。
混ぜると上記のような濃い色に変化。
更にまぜると上記のようにメロンソーダのような色に。

緑色になった液ですが、1リットルになるようにぬるま湯を足していき、さらに撹拌します。すると金色のような感じの液体ができます。これで完成になります。

とりあえず完成。空いていた1リットル用の容器に漏斗を使って入れていきます。

保存用として作成した現像液の完成!
入れたお湯の温度が熱いと、容器が凹んだりするので、温度は30〜35度程度のぬるま湯でOK。しばらく蓋をせずに冷ましたりしてます。(そのままふたすると容器が変形するんですよね・・)あと半月くらいほっておくとどす黒い感じになりますが、特に気にせず使っています。

カラー現像液の完成!

完成した液を使用するときの手順はまた別の記事で書こうと思いますが、自分は250mlずつ使用しているので、別途、現像時に入れるスターターもそれにあった分量いれて撹拌して(30度にして)それで現像するようにしています。またそのあたりは後日。(載せてる写真、もうちょっとちゃんと撮ればよかったな・・)

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