「SIGMA fp」を購入、小型軽量、それでいてフルサイズは正義。

随分ながいことライカについてばかり書いていましたが、流石にこれ以上ライカを入手するのはきびしいのかなと思っています。だけど・・・あり得るとしたら、手放したM4か、その代わりとして安価なM2あたりに手を出す可能性は捨てきれませんが・・(反省はしていない模様)。

それはともかくとして「SIGMA fp」を購入しました。

シグマ fp 45mm F2.8 DG DN レンズキット
SIGMA fp+45mm F2.8 DG DN Contemporary
SIGMA フルサイズミラーレス一眼カメラ fp & 45mm F2.8 DG DN kit ブラック 937317

このカメラが発表されたとき、界隈が結構ざわついていたのを覚えています。当時私もノーマークでしたが、いろいろ情報は入ってくるもので、たしかに小型軽量のフルサイズ機、それに拡張性も高いということで、ちょっと気になる存在と・・・。


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本体上部

しかし当時はライカM-P240とライカM4を運用しており、その後ライカM10、ライカM6と変遷していたため、目移りしている余裕はありませんでした。もうライカだけでいいじゃんと思っていました。

SIGMA fpを入手した経緯

ここに来てどうして?

普段ライカM10、ライカM6の2台体制で街歩き、街撮りをしますが、どちらもマニュアルフォーカスです。家族と会話しながらの街歩きだと、ふとした瞬間を逃すことが度々ありました。ちょっと見つけた「いいシーン」でもあまり時間をかけられない、構図やフォーカスにこだわるわけにもいかず、最近はかなり雑な写真ばかりになっていました。

それにM型ライカの2台持ちはかなり重い。だんだん気温も暑くなり、人と歩きながら、2台のカメラを交互に使って、それでいてよいシーンを切り取るのはかなり難しい。そこで、もっと軽くてAFが使えて、写りがよいサブカメラを求めることになりました。

機種の選択肢いくつかありましたが、気軽にスナップするのにはRICOHのGRIIIあたりかな・・。また使い勝手は最高だと思っていますが、ソニーのRX100シリーズあたり・・(以前RX100M3を持っていたので)。いずれも小型軽量で使いまわしがよく、それでいて高画質という機種です。ただ今回は、できればフルサイズにこだわりたかった。ここは色々考え方が分かれるとこだと思います。まぁ今どきAPS-Cでもいいじゃんとも思わなくもない。あとはソニーのα7IIIもかなり魅力的。ボディだけなら入手しやすいし、マウントアダプターで既存のライカレンズ運用もできます。でも今回はこのサイズを求めていないのと、そもそもAFで写りのよいレンズがほしかった(α7IIIだとよいレンズ買おうとすると別途高くつく)。そんなところからSIGMA fpを選択。

SIGMA fpの印象


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購入にあたって色々とレビューを調べたりするわけですが、キットレンズの「45mm F2.8 DG DN」の写りがとてもよいのが気になったポイントでした。多くの方がアンダー目に取ると雰囲気のよい写真になるといっていますが、ライカ使いとしては気になっており、作例を見ると、もちろんライカとは異なる印象の写真ではありますが、とても雰囲気をきれいに出力しているという印象でした。一番求めていたのは小型で携帯性のよいAF機でしたが、そこにフルサイズでキットレンズでも写りがよいとくれば自分の目的にぴったりでした。(他にも動画が撮れるとか拡張性とかの特長はありますが)

もう1つのポイントは、ライカSLなどで採用しているLマウントであるため、マウントアダプター経由でMマウントレンズの運用もできる点があります。このマウントアダプターも実は同時に購入しているのですが、別の記事を今度書きます。

さて入手から数日、近所の散歩くらいしか行けていませんが、使用感を書きます。

撮影自体は、よくあるAF機と同様で半押しでピントがあって押し込んで撮影でき、軽快に撮影できています。重さが軽いのがとてもよくて、SIGMA fp+45mmレンズでライカM10のボディのみくらいの重さしかない。サイズも小さく街スナップには最適かもしれません。評判のよいキットレンズですが、わりとフードが大きいのでサイズで気になるとしたらそれくらいかな。(フードは逆向きにして設置できるのでそこは良いと思います)

本体に対してフードが少し大きい

光学ファインダーがないことによるデメリットもよく言われますが、AFならノーファインダー(ファインダーないんだけどさ)でさっと撮れるし、外でも光の加減を考慮すればよく見えます。ほんとうは小型の外付けEVFとか発売してほしいですが、まぁ問題ない。1点あげるとしたら、モニターがずっとつきっぱなしなので、わりと液晶側の本体が熱くなるなという印象。液晶まわりにヒートシンクつけたのはこのためか・・・と合点がいきました。とはいえここ数日は毎日40度近くの炎天下なので、外出ただけでアルミのフードが熱くなるくらい・・・もう少し収まればモニターの熱も気にならないかもしれない。

撮影できる写真の印象としては、特に変な癖のないクリアで高画質な写真が撮れます。キットレンズのf値が2.8ではありますが、ボケもきれいで問題ありません。カラー設定が豊富にあり、人気のT&Oとか色味の設定がおいしいところをついている。個人的にはシネマとかで撮ると、あの日本映画とかでよくある暗めの落ち着いた色合いになるのでおもしろいと思う。

またよくデメリットとしてあがる電子シャッターのみという点。これは確かに人を選ぶなと思います。電子シャッターの特徴として素早く動くものを取ると、変な形にぶれた物体が映るというものです。電車の車窓から外を撮影すると近景にあるものなどがグニャっと曲がって写ってしまう。自分としても旅用カメラも視野にいれていて、旅だとこういうシーンは多そうなので、何らかの対応はほしかったですね。

その他、バッテリー持ちについては、確かに設定でいろいろ遊べるボディでありながら減りは早い気がします。その代わり純正バッテリーが異様に安いので2つ3つ買っとく感じだと思います(軽いですし)。私も予備を1つ買いました。あとストロボのシンクロとかは、、、実は私はフラッシュ使わないのであまり気になりません。本格的に撮影される方向けの不満点なのかな・・・。

SIGMA Li-ionバッテリー BP-51 930394

そうだ、あともう1点指摘があるとすると、ストラップ金具。元々ボディは拡張性を考慮していて、最終形はいろいろな機能のアクセサリーをゴテゴテにくっつけた状態で映画も撮れるよ、というのが売りだと思いますが、ストラップ金具は着脱が可能で自分でネジ止めするタイプです。これが取れやすくて怖い。一回フッと外れてヒヤリとしました。コインなどを使ってキツめに回して置かないと、くるくる回しているうちにゆるくなり外れます。あとからアクセサリーのハンドグリップを購入・装着したのですが、これ経由でキツめネジ止めしたら、心なしかきちんと設置できた感じがします。(グリップが出っ張っているのでその分、ストラップが回転しやすくかえって外れにくい印象。印象でしかないですが。)

SIGMA ハンドグリップ HG-11

SIGMA fpはいろいろと癖の強いカメラではありながら、一方でかなりの汎用性を兼ね備えているという、アンビバレントなカメラかもしれません。個人的な不満はシャッターくらいかな。近所を歩きながら撮影した感じだと、街撮りスナップなら問題ないし、とても気楽に撮れるのでOKです。そもそもMFの権化、ライカを使っていたので最新のAFや最短25cmまで寄れるレンズはすっごい楽だなと思いました(笑)。逆にライカのようにほとんどマニュアル操作の機体と使い分けると、ボタン押すだけでスッと撮れてしまうので「撮影してる感」とかのフィーリングの部分は足りないかもしれない。ライカはシャッター音にまでファンがいるくらいですが、特にフィルム機の巻き上げ操作とシャッター音は、撮っている気にさせる不思議な操作感があります。一方で簡単に撮れてしまうのはいまどきのデジカメではどれも同じだと思います。そもそも今回サブ機を求めた私のニーズとしては楽にサッと撮りたい、というものなので、よい選択かもしれません。小型に目立ちにくいのもいいですね。

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カラーネガフィルムの自家現像 Vol.4(失敗〜成功編)

正直に言うと、最近スランプであった。

カラーでの自家現像を実験的に行っていましたが、最近いまひとつシャープさに欠ける・・・。特に正規のフィルム現像液「CNL-N1R」に変更してから。

こういう場合、先人が残したデータが豊富にあるのであれば、それを参考にトライすれば良いわけですが、ことカラー現像については情報がとても少ない。対応されてる方はいらっしゃるものの、古い情報だったり、現在は廃盤の薬品であったり、具体的な手順、現像時間などの記述がなかったり・・・個人的には、手順や対応している現像時間なども知りたいですが、失敗例やどういうポイントで失敗するかなども情報としては欲しかったりします。特に試行錯誤の過程を描くことは、これから自家現像にチャレンジする方の一助となるのでは・・・「鳴かぬなら、私が鳴こうワンワワンっ」・・何いってんだこいつ汗・・・なければ自分がやるしかないということで、今回の記事です(前置き長いです)。

コダック/KODAK カラーネガフィルムGOLD 200-36EX 10本パック

条件や状況などについて

私が手元で行っている現像は、特殊な部分はなくて、一般的なものと思われます。せいぜい薬品の鮮度が対応した時期で異なることくらいでしょう。ただそれも年単位で使用していなければそこまで問題なさそうです。とりあえず以下に、私の手元での薬品の状態、手順や器具などを参考までに記載します。

現像液:2つパターンがあって、以前作成した1~2ヶ月経ってる「CNL-N1R」での対応と、最近(数日前に作成した新鮮な)「CNL-N1R」での対応。いずれも常温保存でポリタンクにいれて食卓の足もとに放置(おそらく30度超えなければそこまで劣化しないのでは・・)。一般的に液の寿命が6週間と考えると2ヶ月程度なら劣化はそこまで起こってないと思われる。

漂白定着液:漂白定着はペーパー用の「エクタカラー」を使用。1つは10ヶ月ほど前に購入した古い薬品。もう1つは最近購入した新鮮なもの。古い薬品の場合、パートAの透明な液に白い塊が沈殿し、調合時にも溶けずにつぶつぶ入りの薬品になってしまう。白い塊が入らないよう布で濾したりして調合していた。調合後も液の下の方に白いものが沈殿し、白い部分を注ぐと現像時にフィルムに付着して白っぽくなることもあった。そのため今回は新規購入して新しいものを使用しはじめた。

温度:風呂場で桶にお湯を張り、薬品はメスカップに入れて温度調整。基本的に30度での対応。30~32度あたりになることあり。途中冷めそうなときは現像タンクごとお湯につけて多少の強弱をつけていた。おそらく温度の±1〜2度はあまり関係ないと思われます。

撹拌:パターソンの現像タンクで倒立撹拌していました。最初は1分、その後は1分に10秒程度の撹拌。ここはスタンダードなもの。

手順:手順も一般的。最初に(フィルム入り)現像タンクに前浴としてぬるま湯をいれて数回程度洗う(微妙にフィルムの色のついた水が出てくる)。そこから現像→水洗→漂白定着→水洗→ドライウェル→乾燥というスタンダードなもの。現像後の水洗でも色付き水が出てくることがある。ここで色水がでない程度洗った方がよいかどうか迷うが、とりあえず色水が薄くなるまでは洗っています。漂白定着後の水洗はある程度時間かけて行う。

Kodak コダック エクタカラー RA 漂白定着補充液

最近の失敗例について

現像液「CNL-N1R」を使用しての現像がどうもうまくいかない。以前はペーパー用現像液「エクタカラー」を使用で、30度で8分半〜9分で対応していました。この現像液でも最初は8分あたりからはじめたのですが、8〜9分だと画像が荒れる、白飛びしたり、増感現像的な感じになった(以下に例あり)。

失敗の過程で、また(ライカM-Aの過去記事参照)機材が悪いのか・・・とも考えましたが、今回は少し落ち着いて思案。一旦フィルムを店舗現像にだし確認しました。この場合きちんとシャープに現像できていたので機材については問題ないと確信しました。

荒れの様子から現像時間が長過ぎるのでは?というところに行き着きました。
あともう1点考えられたのは、すでに10ヶ月ほど使っている漂白定着液の劣化。劣化と使い回しでこれが影響しているのでは?と考えました。他のカラー現像のトライアル記事を見ると、漂白定着は「テキトーでいいよ」的な記述をされてる方もいるのですが、「そんなわけないだろ」と笑。そのため漂白定着の液の鮮度と対応時間を調整してみることにしました。

ここで結論を書いてしまうと、現像については諸々のトライアルから、「5分30秒」「30度で5分ジャスト」で対応してよい結果を得れています。また漂白定着は従来6分浴だったものを、現在は「8分」浴で対応するようにしました。現在はこれが一応の正解と据えています。
※8/31追記
大きな声でいけしゃーしゃーと「5分30秒」!とか言っていたものの、その後のトライアルで、一番画像のシャープさが安定するのが「5分ジャスト」でした・・・。漂白定着は引き続き8分で対応。いやー、修行のようです・・。

前置きが超長いですが、以下、それぞれの現像時間での失敗例です。まずは8〜9分の長めの現像をしてしまったもの。

かなり荒れているのと、白飛びがひどいので増感現像のようになっていると思われます。
以下は現像を8分くらいにしたものです。まだやや増感というか、白飛びしている感じがします。

下は現像時間を7分あたりにしたもの。少しずつ荒れは抑えられている気がしますが、まだ荒いです。とにかく連日、つまらん画像を撮っては現像をトライアルしていました。

これらの過程で、色乗り自体はしているので現像時間はもっと短めでもいいのだろうと想定しました。また、もう1つのプロセスである漂白定着を少し長めに対応することで、乳剤をよく落とし、シャープな結果を得られるのでは、と想定しました。結果的に私の想定は当たっていたようで、だんだんフィルムの画質が上がってきました。

ただこのタイミングで他の方のブログをよく読んでみると、ちゃんと現像は「5分半」、定着は少し長めに対応・・・と書いているものを見つけました・・。人の言うことはちゃんと聞いた方がよいと・・・失敗したフィルム本数考えるとがっくりします・・。(現像は5分半ではありますが、温度を32度くらいにして、10〜20秒早めにするとか、そういう対応もしています)

失敗の中で稀にうまくいった例

失敗例のフィルムの中にも、中には比較的きれいに現像できているものもありました。といっても画質は荒いのですが、露出や構図(ハイライトが気にならないような)によってはこんな感じ、というもの。単純に例として載せときます。

現状うまくいった例

前置きとか説明がすっごい長くて恐縮なのですが、一応最近対応したもので成功例を載せます。早くこれを出せ笑。いずれにせよ素人レベルですが、自分としてはピント部のシャープさ、色の乗り方、背景、前ボケの粗さなど全体的に考えて、安定しているなと感じたものです。(最後の画像は、先日警察署にごやっかいになったときに撮ったポスター、カラフルなので色乗りがわかりやすいかなと・・w)

というわけでまとめに入ります。私は現像手順、工程は一般的な内容で行っています。その上で、本稿で使用していた現像液、漂白定着液を使用した場合、あくまで私の場合ですが、以下の時間にて対応し、ある程度の結果を得られるようになりました。ご参考までに。

・温度:30度(30.5〜31度)
・現像:5分30秒 5分ジャスト(〜5分10秒)※微調整あり
・漂白定着:8分

その前後の前浴や中間浴、洗浄、ドライウェルなどは各自適度にやっちくりー。(自分は一応、ドライウェルつけてから干してます。)

あとはメニューの「Site Map」から、下の方に過去の自家現像の試行錯誤(Vol 1〜)もありますのでご覧いただくのもおすすめです。






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