ほんとうにそれは明確なスナップシューター、RICOH GR III

あれだけ散々家庭の事情がぁ、とかいっていた人間のすることではないですよ。ほんとに。

そういうわけでタイトルにもあるように「RICOH GR III」を購入しました。

まぁこういうの書くとき、購入した理由は〜とか、スペックがどうのとか、しゃらくさいので書かない程度には天の邪鬼なのですがw、実はこのカメラ、以前から気にはなっていました。

そもそも一時期フィルムのGRの方を物色していたのですが、かなり古いものなので、状態がいいものが見つからず、それに森山大道さんの影響なのか価格も高騰しきっている時期に探していたため、当時は入手できずにいました。それから今は当時よりも値段上がってますもんね・・・ほんとにフィルムカメラブームなのかな?うちの周りにはいないんですけどw。でも都内のカメラ店をはしごしてるとほんとに若い男女がこぞってフィルムカメラみてるところに遭遇します。若い方に多いので、30代とか中途半端にフィルム知ってる世代よりは、まったくフィルムに触れてこなかったくらい若い世代のほうが興味もっているかもしれない。

話がそれました。フィルムのGRいいなと思いつつ入手できてなかったのですが、デジタルのGRもいいなと思っている頃、GR IIIが発売されて、かなり界隈で話題になっているのを横目でみておりました。なんとなく気になっていたのですが、当時は私もライカ全盛期でして、デジタル、フィルムのM型に、いまから思うとおそろしく贅沢なレンズを数本も所有し悦に入っていた頃で、気になりつつもスルーしていました。

ツイッターなどでもまわってくるので写真はよくみていましたが、割といいなと・・。心のどこかで所詮コンパクトカメラでしょと思っていたのですが、量販店サイトの作例だったり、界隈の有識者のレビューだったり、目にする作例がわりといい絵だなと思っていました。確かに小型なので、街撮りスナップではかなり重宝するだろう、というところは想像していましたが、入手してみた今となっては、なるほど!と思う。これは使い勝手、出力される絵、サイズ感などなど、どれをとっても隙がない非常にいいプロダクトだと痛感しています。

ツイッターなどでもGR IIIを入手した方が必ず口にするのは、写真撮るのが楽しくなった、ということ。

これ、本当なんですよね。自分でも驚きました。楽に、サッと、気負わず、撮れる。それも街なかであったり、店舗内であったり、楽に撮れる。これが一番大事なことなのだと改めて思いました。スナップシューターと呼ばれるカメラは数あれど、明確にここにフォーカスして洗練されたカメラはこいつが一番かもしれません。

ボケットに収まる、というのも確かに評判とおりで、私も珍しく会社に持参して、昼休みに会社の近所をスナップしながら散歩をしていました。普段、会社と駅の間しか行きませんが、ゆっくり周囲を歩くと新しい発見があったり、普段いかない場所がみれたりして、とても楽しい。そして撮れる絵もとてもすばらしい。ちょっとした街の陰影も見たままの印象で、それでいて高画質で撮影できる。とても評判がよかった理由に納得しました。

自分はライカのときもそうですが、DNGファイルのみで撮影し、あとからLightroomで現像しています。ちょっと前までM10-P、Q2のDNGファイルを現像していたわけですが、撮影データのコントラストとか雰囲気とか、ちょっとM10-PやQ2に似てるんじゃない、とすら思いました(上記のいくつかの作例で少し感じていただければ幸い)。なのでAPS-Cで撮影されたデータとはいえ、以前となんの違和感もなく現像して、撮れた写真も満足しています。もちろん専門的にみれば当然違いはあるし、自分でもフルサイズとAPS-Cデータとのなんとなくの差は感じますが、普段使いとして問題はまったくない。むしろ、とっさに訪れる「思い出になりそうな場面」は逃さず撮れるのではないか、と思います。

良し悪しは別として、街なかで人が行き交う場面などをサッと撮るにも最適だと思いました。小型かつ静音性も高いです。これまで少し躊躇していた場面でも撮ろうという気持ちにさせてくれる、そこがとてもいいと思います。もちろんモラルは守った上でですが(ちなみに私はカメラを2台も持って歩いても街なかでは躊躇して一枚も撮らないことがあるくらいです)。

というようなわけで、この1台が加わりました。この機材、直近で遠出する予定があるので入手したのですが、まだ行ったことのない街で、どんな写真が撮れるかいまから楽しみです。


「SIGMA fp」を購入、小型軽量、それでいてフルサイズは正義。

随分ながいことライカについてばかり書いていましたが、流石にこれ以上ライカを入手するのはきびしいのかなと思っています。だけど・・・あり得るとしたら、手放したM4か、その代わりとして安価なM2あたりに手を出す可能性は捨てきれませんが・・(反省はしていない模様)。

それはともかくとして「SIGMA fp」を購入しました。

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SIGMA fp+45mm F2.8 DG DN Contemporary
SIGMA フルサイズミラーレス一眼カメラ fp & 45mm F2.8 DG DN kit ブラック 937317

このカメラが発表されたとき、界隈が結構ざわついていたのを覚えています。当時私もノーマークでしたが、いろいろ情報は入ってくるもので、たしかに小型軽量のフルサイズ機、それに拡張性も高いということで、ちょっと気になる存在と・・・。


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本体上部

しかし当時はライカM-P240とライカM4を運用しており、その後ライカM10、ライカM6と変遷していたため、目移りしている余裕はありませんでした。もうライカだけでいいじゃんと思っていました。

SIGMA fpを入手した経緯

ここに来てどうして?

普段ライカM10、ライカM6の2台体制で街歩き、街撮りをしますが、どちらもマニュアルフォーカスです。家族と会話しながらの街歩きだと、ふとした瞬間を逃すことが度々ありました。ちょっと見つけた「いいシーン」でもあまり時間をかけられない、構図やフォーカスにこだわるわけにもいかず、最近はかなり雑な写真ばかりになっていました。

それにM型ライカの2台持ちはかなり重い。だんだん気温も暑くなり、人と歩きながら、2台のカメラを交互に使って、それでいてよいシーンを切り取るのはかなり難しい。そこで、もっと軽くてAFが使えて、写りがよいサブカメラを求めることになりました。

機種の選択肢いくつかありましたが、気軽にスナップするのにはRICOHのGRIIIあたりかな・・。また使い勝手は最高だと思っていますが、ソニーのRX100シリーズあたり・・(以前RX100M3を持っていたので)。いずれも小型軽量で使いまわしがよく、それでいて高画質という機種です。ただ今回は、できればフルサイズにこだわりたかった。ここは色々考え方が分かれるとこだと思います。まぁ今どきAPS-Cでもいいじゃんとも思わなくもない。あとはソニーのα7IIIもかなり魅力的。ボディだけなら入手しやすいし、マウントアダプターで既存のライカレンズ運用もできます。でも今回はこのサイズを求めていないのと、そもそもAFで写りのよいレンズがほしかった(α7IIIだとよいレンズ買おうとすると別途高くつく)。そんなところからSIGMA fpを選択。

SIGMA fpの印象


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購入にあたって色々とレビューを調べたりするわけですが、キットレンズの「45mm F2.8 DG DN」の写りがとてもよいのが気になったポイントでした。多くの方がアンダー目に取ると雰囲気のよい写真になるといっていますが、ライカ使いとしては気になっており、作例を見ると、もちろんライカとは異なる印象の写真ではありますが、とても雰囲気をきれいに出力しているという印象でした。一番求めていたのは小型で携帯性のよいAF機でしたが、そこにフルサイズでキットレンズでも写りがよいとくれば自分の目的にぴったりでした。(他にも動画が撮れるとか拡張性とかの特長はありますが)

もう1つのポイントは、ライカSLなどで採用しているLマウントであるため、マウントアダプター経由でMマウントレンズの運用もできる点があります。このマウントアダプターも実は同時に購入しているのですが、別の記事を今度書きます。

さて入手から数日、近所の散歩くらいしか行けていませんが、使用感を書きます。

撮影自体は、よくあるAF機と同様で半押しでピントがあって押し込んで撮影でき、軽快に撮影できています。重さが軽いのがとてもよくて、SIGMA fp+45mmレンズでライカM10のボディのみくらいの重さしかない。サイズも小さく街スナップには最適かもしれません。評判のよいキットレンズですが、わりとフードが大きいのでサイズで気になるとしたらそれくらいかな。(フードは逆向きにして設置できるのでそこは良いと思います)

本体に対してフードが少し大きい

光学ファインダーがないことによるデメリットもよく言われますが、AFならノーファインダー(ファインダーないんだけどさ)でさっと撮れるし、外でも光の加減を考慮すればよく見えます。ほんとうは小型の外付けEVFとか発売してほしいですが、まぁ問題ない。1点あげるとしたら、モニターがずっとつきっぱなしなので、わりと液晶側の本体が熱くなるなという印象。液晶まわりにヒートシンクつけたのはこのためか・・・と合点がいきました。とはいえここ数日は毎日40度近くの炎天下なので、外出ただけでアルミのフードが熱くなるくらい・・・もう少し収まればモニターの熱も気にならないかもしれない。

撮影できる写真の印象としては、特に変な癖のないクリアで高画質な写真が撮れます。キットレンズのf値が2.8ではありますが、ボケもきれいで問題ありません。カラー設定が豊富にあり、人気のT&Oとか色味の設定がおいしいところをついている。個人的にはシネマとかで撮ると、あの日本映画とかでよくある暗めの落ち着いた色合いになるのでおもしろいと思う。

またよくデメリットとしてあがる電子シャッターのみという点。これは確かに人を選ぶなと思います。電子シャッターの特徴として素早く動くものを取ると、変な形にぶれた物体が映るというものです。電車の車窓から外を撮影すると近景にあるものなどがグニャっと曲がって写ってしまう。自分としても旅用カメラも視野にいれていて、旅だとこういうシーンは多そうなので、何らかの対応はほしかったですね。

その他、バッテリー持ちについては、確かに設定でいろいろ遊べるボディでありながら減りは早い気がします。その代わり純正バッテリーが異様に安いので2つ3つ買っとく感じだと思います(軽いですし)。私も予備を1つ買いました。あとストロボのシンクロとかは、、、実は私はフラッシュ使わないのであまり気になりません。本格的に撮影される方向けの不満点なのかな・・・。

SIGMA Li-ionバッテリー BP-51 930394

そうだ、あともう1点指摘があるとすると、ストラップ金具。元々ボディは拡張性を考慮していて、最終形はいろいろな機能のアクセサリーをゴテゴテにくっつけた状態で映画も撮れるよ、というのが売りだと思いますが、ストラップ金具は着脱が可能で自分でネジ止めするタイプです。これが取れやすくて怖い。一回フッと外れてヒヤリとしました。コインなどを使ってキツめに回して置かないと、くるくる回しているうちにゆるくなり外れます。あとからアクセサリーのハンドグリップを購入・装着したのですが、これ経由でキツめネジ止めしたら、心なしかきちんと設置できた感じがします。(グリップが出っ張っているのでその分、ストラップが回転しやすくかえって外れにくい印象。印象でしかないですが。)

SIGMA ハンドグリップ HG-11

SIGMA fpはいろいろと癖の強いカメラではありながら、一方でかなりの汎用性を兼ね備えているという、アンビバレントなカメラかもしれません。個人的な不満はシャッターくらいかな。近所を歩きながら撮影した感じだと、街撮りスナップなら問題ないし、とても気楽に撮れるのでOKです。そもそもMFの権化、ライカを使っていたので最新のAFや最短25cmまで寄れるレンズはすっごい楽だなと思いました(笑)。逆にライカのようにほとんどマニュアル操作の機体と使い分けると、ボタン押すだけでスッと撮れてしまうので「撮影してる感」とかのフィーリングの部分は足りないかもしれない。ライカはシャッター音にまでファンがいるくらいですが、特にフィルム機の巻き上げ操作とシャッター音は、撮っている気にさせる不思議な操作感があります。一方で簡単に撮れてしまうのはいまどきのデジカメではどれも同じだと思います。そもそも今回サブ機を求めた私のニーズとしては楽にサッと撮りたい、というものなので、よい選択かもしれません。小型に目立ちにくいのもいいですね。

SIGMA シグマ SIGMA HAND GRIP HG-11 ハンドグリップ