ライカM6、再び。まだ旅は終わらない。

以前の投稿で書きましたが、以前ライカM6を所有していました。そのM6はブラックで、元箱も一式揃っており、状態もまずまずのものでした。あとTTL版でした。
すでに書いたように、不意の事故で(笑)数年前に手放してしまっており、そのあと紆余曲折はあったものの、デジタルのライカM10と、フィルムのライカM4に落ち着いていました。

そこでだ・・・
「Leica M6(ライカM6 Non-ttl)シルバー」をMy new gearしました。

【中古】 (ライカ) Leica M6 TTL0.85 ブラック【中古カメラ レンジファインダー】 ランク:AB

え、え?なんで?・・と。僕もそう思います・・・。
なんででしょうね?これがいわゆるライカ病の怖いところなんだと思いますが、たまたまいくつかの商品を見ていたら急にほしくなって、たまたま状態の良さそうなものが適度な値段でみつかり、気づいたら手元に・・・。
そうですよ、わかっていますよ、ぜんぜんM4で事足りてたし、露出計だってVoigtlanderの外付けを載せてて、ある程度の適正露出の写真は撮れていて、M4自体の精度もよかったから低速から高速までシャッタースピードもまったく問題ない、ファインダーだってきれいだし、2重像も明確。なんの問題もない。今どきレンジファインダーでフィルム写真やろうって奴が、マニュアルフォーカスがダルいとも思わないし、外付け露出計いじってからフォーカシングするのが多少手間とはいえ、いまさらその程度のこと・・・。そう、別にライカM4で事足りてたんです・・。なにやってんだろう・・・。先月までの大きな支払いが終わったから少し気が抜けていたのだろうか・・・。

さて、ライカM6ですが、久しぶりに触りましたがやはり良いです。このデザイン、使い勝手。まず手にして驚いたのがその状態。ほとんどMintです。使用感はゼロではないものの、印象としては2、3度外に持ち出してみて、あとは自室で眺めていたといった感じ(まぁこの機械を置き物にしてしまうことがいいか悪いはともかく)。底部のシールもピカピカでさっき開封したかのよう。シルバーの外装も開封後、間もない雰囲気を残している。大きなスレ、打痕はなし。サイドのプラにストラップ傷もない。吊金具も削れはなく、かすかに痕跡がある程度。内部にいたってもホコリも最小限、傷もなし。シャッター幕に多少色ムラがあるけど、おそらく経年で幕のゴムが多少変色したものなので実用に影響なし。その他電池室、巻き上げレバーも無傷。という感じでミントな状態です。お値段が安かった理由は元箱、取説などが一式ついていないためかな(”地図”なんかだとぜんぜんそんな割引ないんだけどねw)。付属は純正のストラップのみ。マウントキャップは非純正のものが付属。それにしてもきれいだ・・・。

製造年は1997年とのこと。20年以上たっていてこの状態は確かにある意味「使いづらい」。だが、私はさっそくロゴとネームにテープを貼ってしまう(笑)。使うために入手したのだ。(←4月後半しかもすでにテープ痕をびびって剥がしているという・・・笑)そのため今回は付属品のあるなしはどうでもよかった。好みを言えば、多くの人と同様にブラックを選択したかったが、今回はシルバーのM6を選択した。なぜなら、今メインで使用しているM4からすり替わっても、カメラにまったく興味がない妻にバレないからだ(笑)。ロゴはシルバーのマスキングテープでうまく隠してあるが、軍艦部の文字がないのでそこが怖いw。そもそもデジタルのM-PがM10にすり替わっていて今のところバレていない。条件は同じである。

もう少し質感に触れます。私は以前、最新のフィルム機、ライカM-Aを所持していました。それは外装もきれいで質感がとてもよかったです。あらためてミント状態のM6をみてみると、素材の多少の違いはあれど、質感の方向性は同じと感じました。個人的に形や作りが好きな本体裏側のバックドアのあたり、革の感じ、裏蓋の枠のマッドな金属の感じなど、触っていて心地よい(心地よいがゆえにケースをつけて普段は触れないという変態性も併せ持っています・・)。露出計のないM型をいくつか使用してきて、ある程度、露出の感じはつかめてるし、別にM6やMPは必要ないよな・・と口では言いながら、心の底ではどこかでライカMPを手に入れる機会を伺っていたところが正直あります。MPは値段的になかなか手が届かない・・。逆にM-Aを入手したとき思い切ってMPに行っていればよかったのかもしれない。まぁいろいろ考えます。以前持ってたし、いまさらM6なんて、と考えて、なるべく物欲に火がつかないように抑えていました。今回状態のよいM6を手に入れてみると、ほぼライカMPじゃんという感じで非常に満足です。

ファインダーについて触れると、以前のM6 TTLは赤い露出の三角の間に「丸」があって、適正だとその丸が表示されるのですが、Non-ttlだと丸は表示されず、ファインダーの左右に三角が表示されたときが適正露出。このあたりは過去からいくつかのレビュー記事など読んでいて、多少違いがあるんだなくらいに思っていました。
露出計の使い勝手で1つあるとすれば、これまでVoigtlanderの外付けVCメーターIIでしばらく運用していたので、街中で撮影する際、カメラを向けて露出だけ確認してノーファインダーで撮影するといった方法が取れなくなりました。ちゃんとファインダーを覗いて撮影しないといけない。最近街中での撮影は神経を使うのであまり「撮ってます」感ださない方法がとりにくいですね。
ちなみにM6名物のハレーションについて。この機体はファインダー内も当然きれいな状態ですが、例の・・ハレーションにより二重像が多少見ずらいという傾向がこの機体にもある気がしています。通常使用ではまったく問題ないですがたまに見ずらいなと思うときはある感じですね。(誰かが言ってた裏技で採光窓の真ん中に四角く切った黒いマステープを貼りました。効果のほどは正直わからん・・)

あとシャッターについて。手持ちのM4は動作にまったく問題ない機体ですが、それと比べて同じようなフィーリングだと思います。体感スピードとかそのあたりですね。シャッター音はM4より若干、(悪い意味じゃなくて)曇って聞こえるため少し小さいと思います。ここはM-Aに近い感じがしました。このライカM6がミント状態だからM-Aに近いのか、M4は流石に50年選手だから多少異なるのか、いろいろ同時にお持ちの方は比べられるのでしょうが、正確にいうのは難しいように思います。M4のパシャっという音も非常に心地いいですし。みなさんがよく気にする、状態のよいM型はどういうシャッター音なのか?使用感なのか?という点では、M-Aを基準にすると、このM6のシャッター音、フィーリングからかなり調子のよいものだと判断できます。以前所有のブラックM6の記憶は薄れてしまってますが、その後、M2、M4、MAと触れてみて、調子のいいM型はこんな感じかなというのがなんとなくわってきました(天下のM3は触ったことないですがおそらく同じようなものかなと・・)。と、ここまで書いても伝わりづらい気がします・・・。自分の中では「チャッ」と「シャッ」の間の音に、薄いベールをかけたような音と感触が調子のよいM型のシャッター音だと認識しているのですが・・(笑)。

というわけでまだまだ旅は続きそうです(笑)。そろそろ過去に使ったレンズなどの感想も書きたいのですが、いちいち写真を選り分けて載せるのが面倒で取りかかれていません。手元のライカM4どうしようか迷っています。先日、風の強い日に使っていたら2重像のとこに細い線状のゴミが入り萎えています。それ以外の使用感は最高です。どっかでメンテに出したいと思っていますが、いまは余裕ないですね。
そうそう、先日はじめてリバーサルフィルムのエクタクローム買ったので試してみたいな(昔、1回だけFUJIのリバーサル使ったことあるけど、みずみずしい印象だったし)。

(4/25追記)以下にトライアルとして動画をアップしてみました。

ライカM6 フィルム装填

そして、ライカM10にたどりつく。

これを先に書いてから他のカメラについて書こうと思っています。昨年秋に「Leica M10(ライカM10)」を入手しました。

ライカ M10モノクローム

タイトルいつも迷うんですが、「なんたらかんたらでライカM10レビュー」とか書いてしまうとレビューしなきゃいけないので面倒だしw。志(こころざし)が低いです。
レビューでもないし。よく、レビューブログとかで「買った理由」とか書くけど、必要性に迫られて買うようなものでもないし、そんなもん欲しいからでいいじゃん、とか思ってしまう。おまえら正直になれよ。あぁ、なんか今日は口が悪いです・・・。

M10+Summilux 35mm f1.4(Non-fle)

以前、Leica MA Typ127のところで少し書いたのですが、昨年秋に旅行に行ったときまではデジタルのライカM-Pを使っていました。その後の紆余曲折を経て、ライカM10に辿りつきました。たまたま相場よりリーズナブルなものがでており、ギリギリで手に入れた感じです。さすがに新品級というわけにもいかず、多少すり傷もあり、使用感のあるUSEDです。とはいえ、動作は問題なく、特に違和感は感じませんでした。傷があるぶん、思い切って使えるなとも思います。

スペックや機能などはもうすでに語り尽くされているわけですが、やはりボディの薄さと高感度耐性に尽きるかと思います。デジタルMからの乗り換えだったため持ったときの薄さはたしかに感じました。あと意外な軽さ。軽さといってもライカMと比べて20gしか軽くなっていません(M:680g、M10:660g)。それでも「あれ、軽いな・・?」と。体感的な錯覚だとしても、それは当然歓迎される点だと思います。
ボディの薄さに関してはよく語られますが、どこで誰に聞いても出てくる「手に馴染むサイズになって最高」とか、フィルムMとほぼ同サイズになって「フィルム機からの持ち替えにも違和感がなく」とかのフレーズがやや疑問な人なので(笑)、そこはあまり考えたこと有りません。当然、デジMからの持ち替えなので薄さは体感できるけど、どちらもいまだに重いです。ある程度の厚みがあった方が持ちやすい場合もありますし。違和感とか言われても、デジだろうがフィルム機だろうがあんな金属の重い塊を手に持ったり、首にぶら下げたりして違和感もクソも違和感だらけだろうと・・・あら、いけない、今日はいつになくお口が悪くてよ・・・。

とまぁ、手に入れたのですが、外観の使用感もあるのでケースなしで使おうかなと思っていましたが、やっぱり気になるのでケースも購入。かゆいところを的確にかいてくれるアルティザン&アーティストさんのものを選択。以前のライカM-PのときもLeica純正のものから、途中でA&Aに切り替えています。取り外しのボタンの部分やストラップ箇所の位置、サイズなど、とても考えられていて毎回驚きます(フィルム機のライカM4も同じA&Aさんの革ケースでそろえています、フィルム機向けのこのケースは柔らかく手触りよくて、ほんとに大好きです)。

ARTISAN&ARTISTライカM10専用ボディケース LMB-M10 BLK
created by Rinker
¥15,400 (2025/12/05 12:21:30時点 楽天市場調べ-詳細)

ライカM10の使用感ですが、それはライカM-Pと同様に気持ちよく使えています。ノーマルのM10であるため、シャッター音はM10-Pよりは、ちょっと甲高い音がしていますが、外での撮影時はあまり気になりません(店頭で触りましたがM10-Pはほんと静かですね)。もともと使っていたライカM-Pも「P」バージョンなだけに静かなシャッター音でした。このあたりは「P」モデルがうらやましい(馬骨ではないですがw、音楽ファンでないとなんのことやら・・)。
あとはモニターで設定するメニューの表示、配置が使いやすくなっています。これは地味にうれしいところ。多少配置のカスタマイズもできるため、よく使う設定を前によせることも可能です。一方でカラー、モノクロを切り替えるところが少しだけ直感的でなくなった気がします。またライカM-Pのメニューにあったカラー撮影モードもなくなっており、そこは少し寂しい点でした。とはいえあまり凝った撮影モードは使わないことが多いので、そこは特に問題なし。

撮影される写真の印象ですが、ライカMが絵画的と表現されたり、ライカM10はライカM9の流れを汲む印象と言われたりしています。確かにM-P(Typ240)で撮影した写真は濃厚な陰影がつくことが多く個人的にもハマっていたところ。一方でライカM10は少し明るくさっぱりした印象です。独特な色になると言われるM9をベースにうまく調整されているといった感じ。M9ほどクセがなく(M9使ったことないですけどね・・他の方の作例みると・・)、カラーでの発色がクリアになったよう思います。カラーもモノクロもさらっと明るい感じかなと思います。とはいえ、光量がうまくハマったときの色や陰影はとてもライカらしく深みがあり、そこは他と比べてどう?という点ではありません。とても陰影が心地よひ・・・。ここにハマってしまうと、地獄のライカ沼からは抜けられなくなります。
ただし私の扱いが下手なのか(おそらくそうですが)、以前のM-Pよりは失敗が増えた気がします。明るめなため光の加減を考慮しないと、私が好む渋い陰影が撮れない。おそらくそこは光量や撮る対象、または構図、対象への光のあたり方など、私がコツをつかまないといけない点だなと思います。M-Pはあの独特の陰影で、何も考えていない自分をうまく補ってくれていたような気がします。まぁあとはレンズによるのかなと思います。現時点では現行のSummilux 50mm asphなどを使用していて、非常にシャープかつ深みのある絵も撮れていますが、基本的にはシャープで明るい、でもライカ的な絵が撮れるなという感じ。
高感度耐性はよく言われるように、ISO6400くらいまでは使えるかなという感じ。夜道での撮影でもとりあえずきれいに写るようになったのはとてもよかったです。以前のM-Pでも自分はISO2500くらいまでは使っていましたが、ISO3200あたりだと画像の荒れは多少感じました。あまり夜間撮影する機材でもありませんが、いざという時の安心感は大切で、夜間、室内問わず使える場面が増えるのはよい点ですね。あれ、意外とレビューしてるね。

あとはまったくライカM10本体には関係ないことですが、最近フィルム熱が上がってしまい、フィルム機を扱うことが多くなりました。これは自覚してるのですが、時期によってフィルム撮影が楽しい時期と、デジタルが楽しい時期があります。それにしても最近ライカM10の出番が減っています(笑)。フィルム機、ライカM4ですが、こちらの方が「撮影している」感じが強く、いちいち露出、SSなど設定して撮影するのが面倒ではあるけれど、撮影のフィーリングが気持ちいいんですよね。それに最近、フィルムはカラーもモノクロも自家現像をしていて、そのコツがつかめてきたのでそっちが楽しくなってしまっています。ライカM10を持ち出しても、一度もバックから出さないこともあります。もちろんライカM10を手放すつもりはありません。性能的にも最高ですし、持ち歩くにもほどよいサイズだと思います。
最近Summilux 35mm/f1.4 asphを入手したので(←え?w)、今度は35mmをメインにしてM10で撮影するのが楽しみです。
(従来の設定はデジタルは50mm、フィルムが35mmで使うことが多かったので)

とりあえずライカボディに関しては、今はここで打ち止めになっています。正直、全部手放して「ライカQ2」でまとめてしまおうか、と考えたこともあるのですが、レンズ交換式の魅力も捨てきれず・・・。自分のライフステージ的には、いまが限度かなと思っています。とりあえず遊べるうちに楽しもうと思います。

Leica M10 サムレスト ブラッククローム#24014/シルバークローム#24015 [fs04gm][02P05Nov16]