ライカM6、再び。まだ旅は終わらない。

以前の投稿で書きましたが、以前ライカM6を所有していました。そのM6はブラックで、元箱も一式揃っており、状態もまずまずのものでした。あとTTL版でした。
すでに書いたように、不意の事故で(笑)数年前に手放してしまっており、そのあと紆余曲折はあったものの、デジタルのライカM10と、フィルムのライカM4に落ち着いていました。

そこでだ・・・
「Leica M6(ライカM6 Non-ttl)シルバー」をMy new gearしました。

え、え?なんで?・・と。僕もそう思います・・・。
なんででしょうね?これがいわゆるライカ病の怖いところなんだと思いますが、たまたまいくつかの商品を見ていたら急にほしくなって、たまたま状態の良さそうなものが適度な値段でみつかり、気づいたら手元に・・・。
そうですよ、わかっていますよ、ぜんぜんM4で事足りてたし、露出計だってVoigtlanderの外付けを載せてて、ある程度の適正露出の写真は撮れていて、M4自体の精度もよかったから低速から高速までシャッタースピードもまったく問題ない、ファインダーだってきれいだし、2重像も明確。なんの問題もない。今どきレンジファインダーでフィルム写真やろうって奴が、マニュアルフォーカスがダルいとも思わないし、外付け露出計いじってからフォーカシングするのが多少手間とはいえ、いまさらその程度のこと・・・。そう、別にライカM4で事足りてたんです・・。なにやってんだろう・・・。先月までの大きな支払いが終わったから少し気が抜けていたのだろうか・・・。

さて、ライカM6ですが、久しぶりに触りましたがやはり良いです。このデザイン、使い勝手。まず手にして驚いたのがその状態。ほとんどMintです。使用感はゼロではないものの、印象としては2、3度外に持ち出してみて、あとは自室で眺めていたといった感じ(まぁこの機械を置き物にしてしまうことがいいか悪いはともかく)。底部のシールもピカピカでさっき開封したかのよう。シルバーの外装も開封後、間もない雰囲気を残している。大きなスレ、打痕はなし。サイドのプラにストラップ傷もない。吊金具も削れはなく、かすかに痕跡がある程度。内部にいたってもホコリも最小限、傷もなし。シャッター幕に多少色ムラがあるけど、おそらく経年で幕のゴムが多少変色したものなので実用に影響なし。その他電池室、巻き上げレバーも無傷。という感じでミントな状態です。お値段が安かった理由は元箱、取説などが一式ついていないためかな(”地図”なんかだとぜんぜんそんな割引ないんだけどねw)。付属は純正のストラップのみ。マウントキャップは非純正のものが付属。それにしてもきれいだ・・・。

製造年は1997年とのこと。20年以上たっていてこの状態は確かにある意味「使いづらい」。だが、私はさっそくロゴとネームにテープを貼ってしまう(笑)。使うために入手したのだ。(←4月後半しかもすでにテープ痕をびびって剥がしているという・・・笑)そのため今回は付属品のあるなしはどうでもよかった。好みを言えば、多くの人と同様にブラックを選択したかったが、今回はシルバーのM6を選択した。なぜなら、今メインで使用しているM4からすり替わっても、カメラにまったく興味がない妻にバレないからだ(笑)。ロゴはシルバーのマスキングテープでうまく隠してあるが、軍艦部の文字がないのでそこが怖いw。そもそもデジタルのM-PがM10にすり替わっていて今のところバレていない。条件は同じである。

もう少し質感に触れます。私は以前、最新のフィルム機、ライカM-Aを所持していました。それは外装もきれいで質感がとてもよかったです。あらためてミント状態のM6をみてみると、素材の多少の違いはあれど、質感の方向性は同じと感じました。個人的に形や作りが好きな本体裏側のバックドアのあたり、革の感じ、裏蓋の枠のマッドな金属の感じなど、触っていて心地よい(心地よいがゆえにケースをつけて普段は触れないという変態性も併せ持っています・・)。露出計のないM型をいくつか使用してきて、ある程度、露出の感じはつかめてるし、別にM6やMPは必要ないよな・・と口では言いながら、心の底ではどこかでライカMPを手に入れる機会を伺っていたところが正直あります。MPは値段的になかなか手が届かない・・。逆にM-Aを入手したとき思い切ってMPに行っていればよかったのかもしれない。まぁいろいろ考えます。以前持ってたし、いまさらM6なんて、と考えて、なるべく物欲に火がつかないように抑えていました。今回状態のよいM6を手に入れてみると、ほぼライカMPじゃんという感じで非常に満足です。

ファインダーについて触れると、以前のM6 TTLは赤い露出の三角の間に「丸」があって、適正だとその丸が表示されるのですが、Non-ttlだと丸は表示されず、ファインダーの左右に三角が表示されたときが適正露出。このあたりは過去からいくつかのレビュー記事など読んでいて、多少違いがあるんだなくらいに思っていました。
露出計の使い勝手で1つあるとすれば、これまでVoigtlanderの外付けVCメーターIIでしばらく運用していたので、街中で撮影する際、カメラを向けて露出だけ確認してノーファインダーで撮影するといった方法が取れなくなりました。ちゃんとファインダーを覗いて撮影しないといけない。最近街中での撮影は神経を使うのであまり「撮ってます」感ださない方法がとりにくいですね。
ちなみにM6名物のハレーションについて。この機体はファインダー内も当然きれいな状態ですが、例の・・ハレーションにより二重像が多少見ずらいという傾向がこの機体にもある気がしています。通常使用ではまったく問題ないですがたまに見ずらいなと思うときはある感じですね。(誰かが言ってた裏技で採光窓の真ん中に四角く切った黒いマステープを貼りました。効果のほどは正直わからん・・)

あとシャッターについて。手持ちのM4は動作にまったく問題ない機体ですが、それと比べて同じようなフィーリングだと思います。体感スピードとかそのあたりですね。シャッター音はM4より若干、(悪い意味じゃなくて)曇って聞こえるため少し小さいと思います。ここはM-Aに近い感じがしました。このライカM6がミント状態だからM-Aに近いのか、M4は流石に50年選手だから多少異なるのか、いろいろ同時にお持ちの方は比べられるのでしょうが、正確にいうのは難しいように思います。M4のパシャっという音も非常に心地いいですし。みなさんがよく気にする、状態のよいM型はどういうシャッター音なのか?使用感なのか?という点では、M-Aを基準にすると、このM6のシャッター音、フィーリングからかなり調子のよいものだと判断できます。以前所有のブラックM6の記憶は薄れてしまってますが、その後、M2、M4、MAと触れてみて、調子のいいM型はこんな感じかなというのがなんとなくわってきました(天下のM3は触ったことないですがおそらく同じようなものかなと・・)。と、ここまで書いても伝わりづらい気がします・・・。自分の中では「チャッ」と「シャッ」の間の音に、薄いベールをかけたような音と感触が調子のよいM型のシャッター音だと認識しているのですが・・(笑)。

というわけでまだまだ旅は続きそうです(笑)。そろそろ過去に使ったレンズなどの感想も書きたいのですが、いちいち写真を選り分けて載せるのが面倒で取りかかれていません。手元のライカM4どうしようか迷っています。先日、風の強い日に使っていたら2重像のとこに細い線状のゴミが入り萎えています。それ以外の使用感は最高です。どっかでメンテに出したいと思っていますが、いまは余裕ないですね。
そうそう、先日はじめてリバーサルフィルムのエクタクローム買ったので試してみたいな(昔、1回だけFUJIのリバーサル使ったことあるけど、みずみずしい印象だったし)。

(4/25追記)以下にトライアルとして動画をアップしてみました。


今でもたまに思い出すよ、ライカM6について

なぜライカなのかとよく問われますが、その歴史とか、かつて活躍した有名フォトグラファーが残した名作とか、実際の使用感、素人でも妙に絵になる写真に仕上がるとか、いろいろあるかと思います。「手に馴染む」なんてフレーズもすでに慣用句になっていますが、自分にとって、もうコレじゃないとダメだなと思わせてくれたのはこのカメラでした。「Leica M6」についてです。

ずっと欲しいと思っていてやっと手に入れたのに、ちょっとした手違いで手放さざるを得なかったものです。

10数年に渡って販売され、玉数が多いため入手しやすい一方で、近年異常に値上がりしてしまったライカM6。少し前まで12万~18万くらいが相場でしたが、2019年現在では25万~30万くらいになってしまいました。よく言われる通りでM6はとても使い勝手がよく、みんなが欲しがるのもうなずけます。できればもう一度ほしいとは思いつつ、正直これに30万出すなら頑張ってMP買うよねとも思います。さらに残念なことに、当のライカMPが少し前まで30万あたりが相場だったのに、現在は45万~50万のラインになってしまったというね・・・(2019年現在)。もう少し市場が落ち着いてくれるとありがたいのですが・・・。

さてライカM6について。私はこれを手に入れたあたりから、ある病に冒されはじめることになります。それは「ライカ病」。かの有名な不治の病です。
そもそもの始まりは、数年前の春先。私、元々かなり凝り性でして、おそらく「物欲番長」を名乗れる程度には散財するわけなんですが(Macやらベースやら)、色々買って、それの支払いが落ち着いてきた頃に、ふらっと衝動的に何か買ってしまうという持病を元々持っていました(笑)。おそらく自己肯定感の低さから来る精神的な病だと思いますが、ある種の自傷行為な気がしています。
元々ライカM6には、憧れはあったものの、当時お金もなく、当時の相場で約15万前後。そんなにお金ないよ・・・と諦めていました。なんとなくネットでカメラをみていると、適度な状態のライカM6 TTLを見つけてしまいました。ふと気がつくと手元に・・・ほんとうに恐ろしい・・w。待ちきれずに朝から宅急便の営業所まで取りに行ってしまった。

開封してみると、取説(上記写真はコピーのダミー)こそ無かったものの外箱、化粧箱あり、ストラップは未開封未使用で、M6本体も傷の少ない美品でした。しかも今ではありえないことに16万ちょい。概観の傷といっても底蓋のシールがなく多少スレがある、電池蓋に少し塗装剥げがあるくらいで、打痕や粘つきなど大きな傷はみあたらない。然るべき方がちゃんと実用してきたという感じでとても好印象でした。動作ももちろん快調。シリアルは240万台後半でかなり最終期に近い、また露出計も正常値で稼働していました(正規の調査はしていないが、その後の使用でまったく問題がありませんでした)。
M3信奉者からすると、巻き上げの感触があまりよくないとか言われるものの、そこは長年販売されていたヒット商品だけあって、作りの良さ、使い勝手は非常によい。とにかく道具として気持ちのよいもので、ステータスアイテムとしての満足度も高かったです。下げて歩いているだけで自分がフォトグラファーにでもなったかのような、そんな気分にさせてくれました。素人なので「気分に浸れる」というのも大事な要素。趣味で使う道具は、楽器やスポーツ用品にせよ、気分が大事なわけです。(以前はエレキベースにかなりのお金をつぎ込んでいいました・・・自分の人生はこんなことの繰り返しです・・・)。

ライカM6の良さは多くの人が語っていますが、最近は若い人がフィルムカメラをはじめるにあたって購入し、ブログでレビューなど書いていたりするのを見かけます。自分も購入にあたり、多くのレビューを読みましたが、一番のおすすめは実際に自分で購入してみること。もちろん「ライカ病」にかかります(笑)。
一度、ほんとうに自分のものとしてモノを持ってみること。あの感触や撮影体験を自分のものとして体験することです。人からちょっと借りて触ったことがあるのと比べて、人生の濃度が異なります。あれ?少し大げさかな・・・(もちろん他のM3やM4、MPとかデジタルライカでもいいのですが・・)。

巻き上げを「ギリリィ・・・」とやって、すぐにレリーズボタンを押すと「チャッ」という小気味良い音がしてシャッターが切れる。あの感触、音。散歩しながら撮影のリズムに乗り始めると、その「ギリリィ・・チャッ、ギリリィ・・チャッ・・」のテンポで目の前の風景に集中しはじめる。ライカが単純に「写真を撮る」とは別の視点でも語られることが多いのは、この撮影体験によることが大きいのではないでしょうか。小気味良い音と指先にかすかに伝わる振動、自分が目の前の風景を切り取っているという主体的な感覚。中古でも値段が高かったり、現代的な視点では必ずしも使い勝手や性能がよいわけではないライカが、憧れをもって語られる秘密はこのあたりにありそうです。


Kodak カラーネガフィルム ProImage 100 35mm 36枚撮り 5本パック

当時の使用レンズは、コシナCarl Zeissの50mm/F2、あとは2本目のElmer 50mm/f3.5、そしてVoigtlander 35mm/F1.4(S.C)あたり。そしてSummicron 50mm/F2 3rd。このあたりから病状が加速していきます(自分でも本当に頭おかしいと思いますよ・・レンズ沼編は後日まとめようと思います・・)。

このあたりからモノクロフィルムも使い始めました。フィルム撮影にも慣れて、少し幅が広がりはじめた頃で、いろんなところへ持ってでかけました。近所の散歩、年始の横浜中華街散策、土日出勤したときの会社のフロア(当時は異常に忙しかった)、そして嫁と結婚前にいった岐阜県郡上八幡、名古屋など。

続いて岐阜、名古屋で撮ったもの。

M6との別れは実は自分のヘマからでした。

それまではフィルムカメラを購入するのはM6で終わりだと考えていたのですが、岐阜の帰り道、旅行先で「Summicron 50mm/F2(第3世代)」で撮った画像(当時はデジタルのα7IIで撮影)がとても良く、どうしてもデジタルライカが欲しくなり妻に相談。他に大きな支払いがたまたまなかったのと、頭金を自分がなんとかするからと説得し、なんとか許可がおりました。そして帰宅後、半月くらいで勝手に契約をすすめ「Leica M-P(typ240)」を購入。そのモノ自体のよさ、撮影体験、撮影される画像にドキドキし、気分は最高でした。自分も本物のライカオーナーになった。しかもプロ仕様の「M-P」です。心が躍ります。

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しかしここから感覚が麻痺していきます。Summicron 50mm/F2で撮影して、まったくもって満足していたのですが(この前後でO.Hに出しており状態は最高になっていたにもかかわらず)、例えば、F値が1.4だとどういう写りになるんだろう、高級レンズのSummiluxではどうなるんだろう・・・。もうサスペンスドラマで、主人公がちょっとずつ壊れていく系のアレです。翌月がボーナス月であったことも気を緩めました。気がつくとSummilux、それも値段的に購入が現実的な第2世代を物色していました。

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そしてレンズが手元に・・・。概観は傷多めですが、専用フード、フィルターまで付属し、レンズ面がきれいな実用品。約20万(今の相場では25~30万でしょうか)。

カード払い・・・

嫁に内緒・・・

そして20回の分割にするところを間違えて一括処理に・・・

そして分割への変更期限を勘違いで逃す痛恨のミス・・・。

そして翌月の支払いはというと、旅行代、生活費その他、レンズ代いろいろまとめて何十万・・・(ボーナスが全額なくなってしまう金額・・・)。
今もフラッシュバックするのは、嫁に土下座して謝っているところ、ボーナスが入金と同時に支払いに飛んでしまうところ、M6を泣く泣く梱包して他の人に売却しているところ・・・という一連の流れ。ちなみにこのとき、M6だけでは支払いを補填できず「α7II」も一緒に犠牲に・・・(泣)。
おそらくこれさえなければ今もM6を使っていたと思いますし、その後入手することになるM2、M4、M-A(ああぁぁぁ怖い・・計算したくない・・)などなども無かったのではないでしょうか・・・。ただしここで入手したSummilux 50mm/f1.4はレンズ状態が非常によく、その後、Leica M-Pの常用レンズとして大活躍します。今思えば、ここで落ち着いてしまえばよかったのかもしれません・・・・。

これは修羅の道。生きるってのは命(と精神)を削ること。

今の趣味のメインは写真ですが、いろいろ調べているとプロは言わずもがな、セミプロとか素人でも、結構みなさんテクニカルなことをたくさんされているんですよね。私は、オーバーな言い方だけれども、自分の中にある「美意識」みたいなものを満足させるためにやっています。自分の知り合いにも本格的に写真やってる人もいて、人のポートレートとかを撮ったりしている。彼とはお互い方向性が違うのわかってるので普段は写真の話はほとんどしませんが。写真友達、いないんだよなぁ・・・というか普通に友達がいない・・・(泣)。もうここまで来たらどうでもいいですが・・・。

写真の技術うんぬんとか、面倒なことはおいておいて、個人的にM6で撮れたお気に入りは以下。もう一度、こういうの撮りたいな。