そして、途方に暮れた僕はここに辿り着いた。Leica DIII。

前回の記事で色々と手放したと記載したのですが、機材整理をした上で新しい35mmフィルムのメイン機材を入手しました。

「Leica DIII (ライカDIII)C型改」ブラックペイントを購入しました。

Leica DIII (ブラック)

で、ここからかなり長文でこのDIIIに関して記載しようとしていたのですが、こちらの機材は1週間で返品ということになってしまいました。

正直、外観の適度なスレ具合、シャッターの心地よさは最高だったのですが・・・フィルムを2、3本撮影し現像したところ、露光ムラがでてしまっていました。バルナックでは高速シャッター側で出やすいとは思うものの、整備済み(とはいえ撮影確認まではしてないと思いますが)で、内部はきれいだっただけに残念でして、瑕疵担保期間(1週間)内に店舗に持ち込み相談しました。当初は修理で対応しようかと思ったのですが、修理に数ヶ月程度かかるとのことで(3ヶ月くらい・・)現状その期間は待てず返品ということでご対応いただきました。購入時に他にも候補にしていたものはあったのと金額も大きくは変わらないため、他の在庫を購入するというお話にして、他の機材を物色、そして入手したのが以下になります。

「Leica DIII (ライカDIII)」ブラックペイントを購入しました。

Leica DIII

こちらはオリジナルのDIIIとなります。個人的に購入しておいてナンですが、最高に気に入っているというわけでもなく。というのも外観はかなりきれいで塗装のツヤもかなり残っており、金属部分のメッキもきれいな状態で、見た目はかなりよい状態と言えます。それに内部も直近でメンテ、ほぼOHされており、とりあえず動作なども問題なかろうと。しかし、シャッター音が結構大きく、金属的な音がしており、先の機体の方がその部分のフィーリングは良いと考えています。もう1点、シャッター感触のよい機体があったのですが、未整備品とのことで外観も少し汚れがある状態で、ただし動作は良い、というものもあったのですが、古いものであるため、保証あり、なおかつ外観のよいこちらにしました。今回はとにかく高速シャッターで露光ムラさえでなければOKという点が優先事項でした。(前の機体もシャッター幕、目視ではぜんぜんきれいだったんですけど・・残念です・・)

今回の機材、しばらく使用したらどっかのタイミングで調整にだそうとは思いますが、しばらくはこちらで対応しようかと思います。

さて、ライカDIIIについて。

こちらは以前からほしかった機材でして、過去に何度も物色していました。ただしM型サブとして探していましたが、今となってはM型も処分してしまい、今後はこちらのバルナックでゆるめにフィルムライフをしていこうと考えています。
自分にとっては最後のライカになるのかなと思います。従来のようにフィルムに投資できる状況でもないので、とにかくゆるく長く続けられればと・・・。

今回は実店舗で在庫をほぼすべて出してもらって外観、操作性など慎重に検討しました(その検討したものが露光ムラありだったので残念ですが、再購入したのは第2候補のものでした)。

最初はネットで物色したものの、古い機材でもありネットの写真、記載だけだと判断がつきませんでした。先日気になった1台を店舗で実際に見たのですが、どうもしっくり来ずお断りしました。それもあって慎重に検討。ライカDIIIは1930年代の機種であるため状態はマチマチ。今回は自分のメイン機としてのバルバックなので、ただ動く、だけのものは選びづらい。はじめて店員さんに「この棚のこっから〜ここまでの全部見たいです」と言いました。ある意味、気持ちがいいw。

複数台を1つずつ確認。外観の凹み、傷などからシャッター操作、内部の状態など。特にシャッターは高速500から中速まで切り、そこから低速も設定して確認しました。ボディキャップを外し、シャッター幕の動きも目視。これまでの経験からなんとなく速度が出ているかどうかは体感としてわかるので、速度変化がきちんとしていればOKとしました。
外観は問いませんが、あまりに打痕の多いものは避け、ある程度の外観と操作感などバランスをみて検討しました。外観と機能のバランスはやはり検討が難しいですね。

ここからは返品したDIIIとの内容になりますが、返品DIIIはシャッターの感触が異常によく、音も静かでした。最初、シャッタースピード出てるか?と思いよくみたのですが、きちんと動作している様子。シリアルが異様に若かったのですが、要はライカIのC型の改造品ということで、純正改造のC型改でした。よわい93才。やはりこのあたりにはロマンを感じるし、ライカの強みだなと思いました。

それで選択したものの、結果的には1週間たって返品となりました。正直、修理さえ1、2週間で戻ってくるのであれば、この機体を選んでいた・・。ほんと残念・・。修理は3ヶ月ほどかかると言われました。かなり立て込んでいるようで、店員さんに訪ねたところ、昨今のクラカメブームと、ベテランの職人が高齢で引退したり、退職したりで、人手不足になっているとのこと。ニッチな分野では仕方のないことではありつつ、職人さんの腕前や経験値がうまく継承されていけばいいなと思いました。(突き詰めると自分でできるようになる・・・になってしまうのでwマニアには結構ありがちですよね・・)。

今回、新規に買い直したのは、候補の第2、第3に入っていたもの。値段が1つだけ高いものだったのですが(そういう意味では当初より高い値段を払っていますw)、外観がきれいで、メンテナンスも入っている。保証もあり。当初こちらを候補から外していたのはシャッターの感触が少し硬いため。巻き上げはそこまで重くなく、スムーズですが並といった感じ。切ったあとの音が「シャキン」少し大きい気がしました。(前の機体はコトンという静かな感じ)。
いろいろ比べてわかったのはわりとDIIIはシャッター音は大きめだなということ。以前、手に入れたものはそこまで気にならなかったのですが・・。シャッター小さめなものは、シリアルが若いとか、ライカIからの改造品なのかなと思いました。シャッターブレーキの不調も考えられるので、どっかのタイミングでどこかに相談しようかとは思っています。

さて、昨日手に入れて早速フィルム2本撮影、1本はトライアル的に少ない枚数撮影しすぐに現像しました(長巻からのフィルム作成、自家現像なのでできる)。高速シャッター中心に切りましたが、おそらく露光ムラはない状態。特に問題なくそれぞれの写真が撮れていたので、今回は問題ないものと思います(よかった)。
2本目のネガも現像し、スキャンしました。こちらの方が外出時にとったので被写体としては面白いものなのですが、これが非常によく撮れていました。特に横縞も入っていません。空を撮したものも特にムラはなく、撮影結果には問題ありませんでした。(自家現像、自家スキャンすら、家族いると合間でしかできないし、あまり時間とると風当たり強いので苦労しますね)。とりあえず直近はこのライカDIIIを慣らし運転ということで対応していこうと考えています。

実はこのバルナック移行のために、以前手放していた露出計をまた買い直したりと細かい出費が続いてしまっています。露出計は、最初、TTArticianのメーターを買ったのですが、どうもしっくり来ず・・というかCR2023という若干特殊なボタン電池を使用するためめんどくさくなり売却。結果的にはフォクトレンダーのVCメーターIIに戻りました。今回はブラック。(DIIIがブラックペイントなため)
また35mmファインダーとしてSBLOOを購入・・・これもライツのファインダーはモノとしてはかっこいいのですが、メーターをつけることの方が多いので売却予定。買っては売りを相変わらずしています。

【中古】 (ライカ) Leica 3.5cmファインダー SBLOO【中古アクセサリー ファインダー】 ランク:B+

今回のライカDIIIの選択、いままでで一番迷いましたし、珍しく粘って検討しました。選んでる最中が一番楽しいとは言ったものです。これからは作品制作を進めないといけないのでまた。

Leica DIII (ブラック)
Leica エルマー L35mm F3.5 クローム [ Lens | 交換レンズ ]

Leica M4(ライカM4) ブラッククロームについて

「これが最後、これが最後」というセリフが歴史上、最後になったためしがないわけですが、おそらく状況的には自分にとってこれが最後のM型ライカになるだろうなという予感はしています。

「Leica M4 (ライカM4)ブラッククローム」を入手しました。

Leica M4 Blackchrome + Elmar 35mm f3.5

またまたぁ〜・・といつもなら言えるところではありますが、フィルムを取り巻く環境が日増しに悪くなっていく現状を見ると、これ以上、先が見えないツールを使い続けることにためらいを覚えます。そろそろ本気で撤退を考える時期に来ているのかもしれない。

多くのフィルムユーザーも、おそらくそろそろ潮時って人と、意地で使い続けるという人と分かれるのではないかと思います。おそらく自分はなんとなく使い続けて、撤退の時期を逃すに一票。

フィルムの終焉

自分が本気で危機感を持ったのは、供給不足が現像薬品などに及んだタイミングでした。フィルムの値段が上がるのはいろいろな理由からわかるし、とはいってもまだまだ使う人は使うでしょう。それにモノクロの長巻きとかであればまだフィルム1本の単価も1000円以下で使える。

しかし、ここにきてフィルム自体の値上がりだけでなく、現像液の値上げや、そもそも現像関連の薬品が販売店から在庫切れしてしまう状況において、あぁもうこれは終わりかなと・・・。個人的にカラーの自家現像にも注力していたので、ヨドバシからエクタカラーの漂白定着液が販売終了になっているのを見たときには、もう終わりだなと思いました。

果たしてこのさき、この趣味はいつまで続くのだろうか。逆にいつまでフィルムが高騰し、それを買い続けなければならないのだろうか。比較的、専門店が存在する都心ですら、手に入りづらいものが増えていき、そんな状況の中で、なんとかフィルムや薬品を手に入れて続ける・・・自分はどこまで行けるかなと。今年、引き伸ばし機まで導入して、暗室用品もかなり揃えたんですけどね・・・。(暗室については後日どこかで)

フィルムライカの最後

そう考えると、現行機種であるMPは自分が持つには高スペック、高額すぎる・・。現在新品価格が70万、中古価格も50万を下回ることが稀になってしまったこの機体で、フィルムの終焉を迎えるのはちょっと厳しいのかなと思いました。これが10〜20万くらいで入手できる、ちょっとボロい、だけどまだまだ機能は調子いい、という感じのM3とか、M4とか、はたまたM6あたりであれば諦めもつくけど、という感じ。

そう考えたとき、自分はフィルムの最後をどの機体で迎えるのかと考えて、やっぱり一番シンプルかつ美しく、ストレスの少ないライカM4しかないだろうなと。4度のM4回帰を考え始めました。

しかし、ここで1つ問題が、MP導入時に家族にも大々的に黒にしたぞ!値段はそんなでもないぞ!(嘘)と喧伝して、使用時におけるストレス軽減や相手の疑念を起こさせないといった対処法をとったため、ブラックボディがシルバーボディになってしまうとすぐにバレて「また新しいの買って・・」という痛くもない腹を探られることになる(ほんとはめちゃくちゃ痛いけどw)。

自分はその価格差を知っているのでなんてことはなくとも、値段を知らない人からすると、また新しいのを買って・・またいくら使ったんだ・・ということになる。そこでブラックペイントとはいわずとも(ペイントものはもうすでに博物館級の代物、値段になっているわけで)少なくともブラッククロームを選択せざるを得ない。だけどここでM4-2とかM4-Pとか行かないところが、自分のこれまでの経験がもたらした意地とでもいいましょうか・・・シルバーのM4を3台も乗り換えてきて、全て118万台を選択していたこだわりもあるわけです。

そこで物色している最中に見つけたのが今回のM4ブラッククローム。こちらも最近値上がりが著しく、シンプルなM4でありつつブラック、という点で人気の仕様です。店舗によっては40〜50万程度もしますが、自分のものは使用感が強く、スレや傷も多めの並品であったためそこまで高くない。それにファインダー、シャッター関連には事前に業者のメンテが入っているとのことで、かなりお買い得な状態となっていました。普段なら、そこですぐポチってしまうのですが、流石に今回は迷いに迷って実機を見に行くことにしました。

期待はせずに店舗に見に行ったものの、実際の機体は使い込まれた貫禄も十分あり、それにスレや傷も悪くない見栄え。機能に影響しそうな変な凹みや痛みはなさそうでした。これまであまりブラッククロームをきちんと見たことないのですが、とてもかっこいい。なるほど人気もうなずける。そして清掃済みのファインダーも非常に綺麗な状態で自分がいままで使ってきたM4と遜色ない。そしてなにより、シャッターフィール。シャッター調整がなされているとのことでしたが、巻き上げのスムーズさ、シャッター音の「こなれた音」は現行のMP以上でした。するっと巻き上がってカチャ、といい、これが心地よい。そしてシャッターボタンを押下することで、チャッと静かでありながら小気味良い音。あれ?これは思ってたより状態いいなと・・。そこからしばらく考えて購入を決意しました。

すぐにテープを貼ってしまう
バックパネル、なかなかの貫禄。でも嫌な傷はない。
底蓋も結構きれいな状態

ちなみに今回、個人的にこのライカM4ブラッククロームで一番気に入っているのはシャッターフィールなのですが、恒例の?シャッター音を収録しましたので以下に掲載します。正直、ライカMPよりこなれてていいのよね・・。巻き上げがすごい軽いので人によって好みはあるかもですが、巻き上げ、シャッター音ともにかなり好き。

おそらくこれが最後のライカに・・・

今回のライカM4、ブラッククロームであるがゆえに家族にはバレておらず心配なさそうです。でも今後、フィルムを取り巻く環境がここまで悪化し、今後も再度環境が改善する見込みがないのであれば、フィルム写真をどこまで続けられるのか、かなり難しい選択をしていかなければなりません。そんな状況下で、更にフィルム機を買い増したり、または別のライカに置き換える、というのはなかなか現実味が薄い話だと思います。もちろんお金が続かないというのもあるけど、短期間しか楽しめないことがわかっている遊興にどこまで大枚はたけるのか。ただでさえ、以前から家族をだましだまし高い機材を買っては手放しを繰り返してきて、そろそろ潮時なんじゃないの、と自分の中でもいろいろ考えることはあります。もしかしたら、機材をとっかえひっかえするのはそろそろ辞めて、写真自体と向き合う時期なのかなと考えました。おそらく自分にとってこれが最後のフィルムライカになるのではないかと予感しています。

自分の写真と向き合う

そう考えた理由にはもう1つあって、最近暗室でのプリントを本格的にはじめたことによる影響です。これも印画紙や薬品が必要なプロセスなので、フィルム同様に先細りが予想される活動なのですが、以前から気になっており、やっと開始したという感じです。そもそも始めるのが遅いし、どこまで続けられるかわかりません。ただいろんな分不相応な機材を使ってきて、そろそろ自分にはこれで十分、というのが見えてきたところで、機材遊びではなく自分の撮影結果、目線などと向き合ってみたくなりました。自分で撮影したフィルムから印画紙に像を映し出す、そしてそれをうまくコントロールすること、このあたりのプロセスに注力して、撮影結果と向き合う、このあとの人生はそこが軸になるのではと考えました。

正直、ここにもかなり大枚はたいて機材を揃えたこともあり、もし急に印画紙や薬品の供給が止まると、暗室用品はなかなかリセールが難しいアイテムということもあって、結構しんどい状態にはなります(暗室関連は支払いは残ってないのでそこは安心な一方でそのまま飾りになる、という悲しさがあります)。

ただ、もともと一人で作業に没頭するのが好きなタイプでしたので、しばらくは印画紙へのプリントで、自分の作品と呼べるような写真との向き合い方をしていきたいなと考えています(個人的には自分の写真を作品と呼ぶのすごい抵抗ある、だって恥ずかしいじゃない?w)。
ちなみに引き伸ばし(プリント)に自分が使っているのはこれまたライカ、というかライツ時代のValoy IIという35mmフィルム向けの引き伸ばし機で、これまた造形が美しい機材です。非常に状態のよいものを入手したこともあり、かなり気に入って使っていますが、その他にもいろいろな暗室機材を入手しました。暗室機材については別途記事を書こうとして、実は何度か中断しているのですが、いつかここでまとめられたらと考えています。機材自体もそうですし、プリントのプロセスや必要な薬品など、いろいろご紹介したいことはあります。

で!ちょうど本日7/6(水)から都内某所で私が上記の暗室機材でプリントした写真を展示させていただいています。正直、はじめて展示なるものを行ったので、主催の方にはかなり質問などさせていただきお手数をかけましたが、なんとかここまでこぎつけました。関係者の方、ありがとうございました。なんだか緊張しますが、はじめてということで、粗はお許しいただきたい。

<エルマー35展>
2022/7/6水〜2022/7/17日
ギャラリー&カフェ、バー PAPER POOL 祐天寺
水木金18〜22時、土12〜22時、日12〜17時の営業

ご予約はSNSやメールにてお願いいたします。
paperpool.info@gmail.com 
また、当日の営業時間内のご予約はお電話にてお願いいたします。
03-3713-2378

以下に、展示とは関係なく、M4bcで撮影した作例を掲載します。

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