Leica M4(ライカM4) ブラッククロームについて

「これが最後、これが最後」というセリフが歴史上、最後になったためしがないわけですが、おそらく状況的には自分にとってこれが最後のM型ライカになるだろうなという予感はしています。

「Leica M4 (ライカM4)ブラッククローム」を入手しました。

Leica M4 Blackchrome + Elmar 35mm f3.5

またまたぁ〜・・といつもなら言えるところではありますが、フィルムを取り巻く環境が日増しに悪くなっていく現状を見ると、これ以上、先が見えないツールを使い続けることにためらいを覚えます。そろそろ本気で撤退を考える時期に来ているのかもしれない。

多くのフィルムユーザーも、おそらくそろそろ潮時って人と、意地で使い続けるという人と分かれるのではないかと思います。おそらく自分はなんとなく使い続けて、撤退の時期を逃すに一票。

フィルムの終焉

自分が本気で危機感を持ったのは、供給不足が現像薬品などに及んだタイミングでした。フィルムの値段が上がるのはいろいろな理由からわかるし、とはいってもまだまだ使う人は使うでしょう。それにモノクロの長巻きとかであればまだフィルム1本の単価も1000円以下で使える。

しかし、ここにきてフィルム自体の値上がりだけでなく、現像液の値上げや、そもそも現像関連の薬品が販売店から在庫切れしてしまう状況において、あぁもうこれは終わりかなと・・・。個人的にカラーの自家現像にも注力していたので、ヨドバシからエクタカラーの漂白定着液が販売終了になっているのを見たときには、もう終わりだなと思いました。

果たしてこのさき、この趣味はいつまで続くのだろうか。逆にいつまでフィルムが高騰し、それを買い続けなければならないのだろうか。比較的、専門店が存在する都心ですら、手に入りづらいものが増えていき、そんな状況の中で、なんとかフィルムや薬品を手に入れて続ける・・・自分はどこまで行けるかなと。今年、引き伸ばし機まで導入して、暗室用品もかなり揃えたんですけどね・・・。(暗室については後日どこかで)

フィルムライカの最後

そう考えると、現行機種であるMPは自分が持つには高スペック、高額すぎる・・。現在新品価格が70万、中古価格も50万を下回ることが稀になってしまったこの機体で、フィルムの終焉を迎えるのはちょっと厳しいのかなと思いました。これが10〜20万くらいで入手できる、ちょっとボロい、だけどまだまだ機能は調子いい、という感じのM3とか、M4とか、はたまたM6あたりであれば諦めもつくけど、という感じ。

そう考えたとき、自分はフィルムの最後をどの機体で迎えるのかと考えて、やっぱり一番シンプルかつ美しく、ストレスの少ないライカM4しかないだろうなと。4度のM4回帰を考え始めました。

しかし、ここで1つ問題が、MP導入時に家族にも大々的に黒にしたぞ!値段はそんなでもないぞ!(嘘)と喧伝して、使用時におけるストレス軽減や相手の疑念を起こさせないといった対処法をとったため、ブラックボディがシルバーボディになってしまうとすぐにバレて「また新しいの買って・・」という痛くもない腹を探られることになる(ほんとはめちゃくちゃ痛いけどw)。

自分はその価格差を知っているのでなんてことはなくとも、値段を知らない人からすると、また新しいのを買って・・またいくら使ったんだ・・ということになる。そこでブラックペイントとはいわずとも(ペイントものはもうすでに博物館級の代物、値段になっているわけで)少なくともブラッククロームを選択せざるを得ない。だけどここでM4-2とかM4-Pとか行かないところが、自分のこれまでの経験がもたらした意地とでもいいましょうか・・・シルバーのM4を3台も乗り換えてきて、全て118万台を選択していたこだわりもあるわけです。

そこで物色している最中に見つけたのが今回のM4ブラッククローム。こちらも最近値上がりが著しく、シンプルなM4でありつつブラック、という点で人気の仕様です。店舗によっては40〜50万程度もしますが、自分のものは使用感が強く、スレや傷も多めの並品であったためそこまで高くない。それにファインダー、シャッター関連には事前に業者のメンテが入っているとのことで、かなりお買い得な状態となっていました。普段なら、そこですぐポチってしまうのですが、流石に今回は迷いに迷って実機を見に行くことにしました。

期待はせずに店舗に見に行ったものの、実際の機体は使い込まれた貫禄も十分あり、それにスレや傷も悪くない見栄え。機能に影響しそうな変な凹みや痛みはなさそうでした。これまであまりブラッククロームをきちんと見たことないのですが、とてもかっこいい。なるほど人気もうなずける。そして清掃済みのファインダーも非常に綺麗な状態で自分がいままで使ってきたM4と遜色ない。そしてなにより、シャッターフィール。シャッター調整がなされているとのことでしたが、巻き上げのスムーズさ、シャッター音の「こなれた音」は現行のMP以上でした。するっと巻き上がってカチャ、といい、これが心地よい。そしてシャッターボタンを押下することで、チャッと静かでありながら小気味良い音。あれ?これは思ってたより状態いいなと・・。そこからしばらく考えて購入を決意しました。

すぐにテープを貼ってしまう
バックパネル、なかなかの貫禄。でも嫌な傷はない。
底蓋も結構きれいな状態

ちなみに今回、個人的にこのライカM4ブラッククロームで一番気に入っているのはシャッターフィールなのですが、恒例の?シャッター音を収録しましたので以下に掲載します。正直、ライカMPよりこなれてていいのよね・・。巻き上げがすごい軽いので人によって好みはあるかもですが、巻き上げ、シャッター音ともにかなり好き。

おそらくこれが最後のライカに・・・

今回のライカM4、ブラッククロームであるがゆえに家族にはバレておらず心配なさそうです。でも今後、フィルムを取り巻く環境がここまで悪化し、今後も再度環境が改善する見込みがないのであれば、フィルム写真をどこまで続けられるのか、かなり難しい選択をしていかなければなりません。そんな状況下で、更にフィルム機を買い増したり、または別のライカに置き換える、というのはなかなか現実味が薄い話だと思います。もちろんお金が続かないというのもあるけど、短期間しか楽しめないことがわかっている遊興にどこまで大枚はたけるのか。ただでさえ、以前から家族をだましだまし高い機材を買っては手放しを繰り返してきて、そろそろ潮時なんじゃないの、と自分の中でもいろいろ考えることはあります。もしかしたら、機材をとっかえひっかえするのはそろそろ辞めて、写真自体と向き合う時期なのかなと考えました。おそらく自分にとってこれが最後のフィルムライカになるのではないかと予感しています。

自分の写真と向き合う

そう考えた理由にはもう1つあって、最近暗室でのプリントを本格的にはじめたことによる影響です。これも印画紙や薬品が必要なプロセスなので、フィルム同様に先細りが予想される活動なのですが、以前から気になっており、やっと開始したという感じです。そもそも始めるのが遅いし、どこまで続けられるかわかりません。ただいろんな分不相応な機材を使ってきて、そろそろ自分にはこれで十分、というのが見えてきたところで、機材遊びではなく自分の撮影結果、目線などと向き合ってみたくなりました。自分で撮影したフィルムから印画紙に像を映し出す、そしてそれをうまくコントロールすること、このあたりのプロセスに注力して、撮影結果と向き合う、このあとの人生はそこが軸になるのではと考えました。

正直、ここにもかなり大枚はたいて機材を揃えたこともあり、もし急に印画紙や薬品の供給が止まると、暗室用品はなかなかリセールが難しいアイテムということもあって、結構しんどい状態にはなります(暗室関連は支払いは残ってないのでそこは安心な一方でそのまま飾りになる、という悲しさがあります)。

ただ、もともと一人で作業に没頭するのが好きなタイプでしたので、しばらくは印画紙へのプリントで、自分の作品と呼べるような写真との向き合い方をしていきたいなと考えています(個人的には自分の写真を作品と呼ぶのすごい抵抗ある、だって恥ずかしいじゃない?w)。
ちなみに引き伸ばし(プリント)に自分が使っているのはこれまたライカ、というかライツ時代のValoy IIという35mmフィルム向けの引き伸ばし機で、これまた造形が美しい機材です。非常に状態のよいものを入手したこともあり、かなり気に入って使っていますが、その他にもいろいろな暗室機材を入手しました。暗室機材については別途記事を書こうとして、実は何度か中断しているのですが、いつかここでまとめられたらと考えています。機材自体もそうですし、プリントのプロセスや必要な薬品など、いろいろご紹介したいことはあります。

で!ちょうど本日7/6(水)から都内某所で私が上記の暗室機材でプリントした写真を展示させていただいています。正直、はじめて展示なるものを行ったので、主催の方にはかなり質問などさせていただきお手数をかけましたが、なんとかここまでこぎつけました。関係者の方、ありがとうございました。なんだか緊張しますが、はじめてということで、粗はお許しいただきたい。

<エルマー35展>
2022/7/6水〜2022/7/17日
ギャラリー&カフェ、バー PAPER POOL 祐天寺
水木金18〜22時、土12〜22時、日12〜17時の営業

ご予約はSNSやメールにてお願いいたします。
paperpool.info@gmail.com 
また、当日の営業時間内のご予約はお電話にてお願いいたします。
03-3713-2378

以下に、展示とは関係なく、M4bcで撮影した作例を掲載します。

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ライカ Leica ズミルックス M f1.4/50mm ASPH. ブラック (11891C) SUMMILUX 標準レンズ

私とライカとSummilux

おそらく、私はかなり危うい道を歩いている。

ちょっと前に書いた記事では、家庭の事情もあり、もう高いライカボディやらライカレンズやらは買えないと言った。そして最後の最後にこれだけは許してって感じでM10-Pを購入し、これで生まれてくる子供を撮るぞと息巻いていた。いまでも値段思い出すと胃が痛くなる・・・。そんな無理して買うなよ、は最高の正解ではあるが、正直ちょっとがんばれば買えてしまう程度には中堅サラリーマンをやっている。まだかろうじて子供の誕生前でもあるのでなんとか購入可能だったのもある意味不幸だ。一方で喜ばしいことに子供は順調に育っており、秋には誕生するのである。おそらくもうカメラがどうした、レンズがどうした、などとやっている余裕はないのであろう。

少しさかのぼって4月のこと。

フォクトレンダーレンズを装着したM10-Pと共に、諸用にて九州まででかけた。情勢を考慮して、そんな派手に出歩いたわけではないが、家族の用事で多少は外出したし、それなりに観光はできた。まぁせっかくきたのだからと、密は避けつつ、歩いた場所は写真を撮ってまわった。

変な撮り方をするつもりは無いが、やはり静音性の高いM10-Pは非常に使いやすい。シャッターはほとんど無音だし、撮れる絵もまさにライカの陰影。地方のバスや電車の中からも風景を撮った。やっぱりライカで撮っている。それもデジタル。この質感、この重さ。これに魅了されると人生を持ち崩すことになる、そう私のようにね(往年の洋画スターのような表情で)。とはいえ、心の隅のほんの小さな部分ではあるが、正直やっぱりライカレンズで撮りたかったなという気持ちがないでもなかったが、それでもフォクトレンダーのレンズは非常に写りがいい。使い勝手もサイズ感もとてもいい、まったく問題ない、とても気に入って使っていた。

Leica M10-P + Voigtlander 35mm f1.2 III

そこから2ヶ月ほど経つわけだけど、私の手元にはM10-Pはない。自分でも流石にちょっと頭がおかしいなと思います。じゃぁM10-Pがどうなったかというと、「ライカQ2(Leica Q2)」を購入しました。

Leica Q2
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自分でも引いてしまうのだけれど、一応の(非合理な)合理性はそこにあって、その一方で確かにフォクトレンダーレンズ1本分程度のお金の捻出が必要になったという理由もあった。とても悩ましい判断をしなければならなかった。自分を説得するための考え方はこうだ。要するに、子供が生まれてくれば移動するにも抱っこするなり、ベビーカーなりで動きにくい、夫婦で移動しててもおそらく写真など撮ってる暇があるわけがない、それであれば、AF付きのライカレンズ+ライカボディがセットになったライカQ2、それもM10-Pボディを手放すことでほとんどそのまま等価交換できる機材、これを手に入れるのはある意味正解だろうと・・・。

なるほど確かに、と自分でも思う。

ただし人間は、必ずしも合理的な解答に納得するわけではありません。ここからが本当の狂気なわけですが、実はすでにライカQ2は手元にありません。(お前、ほんとに狂ってるな・・・普通に引くわ・・)。

ライカQ2の利点を上げるのはもはや無粋というものですが、確かにあのサイズ感で、しかもまったく手抜きのない28mm Summiluxレンズと5000万画素近くの最新のセンサーがついて、その上ライカでマクロ撮影、AFもついている・・・その上、ボディの作りもよく、廉価版な感じがしないさすがの作りの良さ、高額でありながらヒット商品になったのはうなずけます。

ライカQ2を多くの有名カメラマンやガジェット系タレントが絶賛するのはとてもよくわかる。まったくスキがない。M型ライカに抱いているちょっとした不便を、Qシリーズはとてもよく埋めてくれています。いろいろ調べましたが、どこへいっても絶賛ですし、その理由も痛いほどよくわかる。私も同感だからです。

ただし、それは他にM型ライカをデジタルもフィルムも持っていた上で、ライカQ2を持っていることが前提になるような気がしました。普段、M10やフィルムのMPで撮影してて、だけれども、今回の旅行は身軽に行きたいからQ2もってこうかな、とか、今日は友人とちょっとした集まりだけど、M型もいいけど、夜の室内だし気軽にQ2でいいかな、とか。

私は幸運にも、フィルムMのボディ数種、デジタルのM-P、M10、M10-Pなど、まぁおよそ普通のサラリーマンが持つにはちょっと贅沢すぎない?と思われる分不相応なものを入手して一通り体験してしまっているので、ライカQ2を持たされても、もはや普通のデジカメでしかない。デジMのあの重さ、ある種の使いづらさも愛おしい、そしてそれ以上にフィルムMのあのシャッターフィールが恋しい。もうこれは病(やまい)の類だと思います。末期だし、病の完成形でもある。

しばらくはライカQ2でとても満足していました。シャッターの静音性、かなりの高解像度、レンズも大好きなSummilux、そしてボディがかなり軽いので普段の持ち歩きがとても楽でした。いざとなれば動画も取れる。バッテリー持ちもよいし・・・。それにクロップ機能も使い所で楽しい機能です。

ところがある日、自分の心の内に正直になってみる必要があるのではないかと思いました(←こういうところが頭おかしい気もしている)。なんだか満たされない(頭おかしいからw)。でも、わかってる、秋には子供が生まれるし、大きな機材は使えないし、アレコレ持ってたって使えない、それにAFないと子供連れでスナップなんてできないよ・・・それもわかってる、全部わかってる・・・。

自分は一番いい選択をしてる。

・・・でも、同じ子供を撮るにしても、なんとなく消費される写真じゃなくて、残る写真が撮りたい。20年、30年たったとき、俺の息子が、「親父がいい加減だったからそこまで裕福じゃなかったけど、不相応な高いカメラで俺のこと撮ってたっけ、フィルム現像まで自分でやって、随分面倒なことまで自分でやってたな、趣味はいいけど変わった親父だったな」とか、俺は息子にそんな風に思われるのかな、おそらく、そう思われたいと思っている。

何も残せやしない、人並みのものも、世間的な評価としても、何かを残せる人間じゃない。デジタルが残らないとも思わない、けどやっぱり自分はフィルムなんだと思った。理由を考えて、幼少期はフィルムが主流でその記憶があるからとか、自分が天の邪鬼だからすぐ人と違ったことしたがるとか、いろいろ考えるんだけど、

俺、フィルムで写真残したいのよ。

もう理屈でもないし、ただのわがまま、ただのブランド好きって言われても仕方ない、さんざん高いライカレンズ隠れて買って、それでも時々満足できないこともあって、やっぱデジタルの方がきれいだしなとも思ったけど、過去の写真見直してたら、たまにすごくいい写りしてるんだよ。フィルムとライカレンズ。人物は本当に限られた人しか撮らないけど、人生でほとんど唯一、親連れて旅行にいったときに旅館の部屋でライカM4のセルフタイマーで撮ったやつ、嫁と俺とオカンで3人並んでる写真とか、嫁の妹の息子さんみにいったとき、旦那さんが抱いてる写真とか、別に展示するようなもんではないけど、ぜんぜん違うんだよ。iPhoneのがきれいに写るのは自明なんだけど、それでもぜんぜん違う。

それで、俺は、これは性(さが)とか業(ごう)とかなのかもしれないけど、「ライカM4(Leica M4)+Summilux 35mm f1.4 球面/2nd」を入手しました。(えぇ!ww)え?あたま?おかしいよ?それが?

Leica M4 + Summilux 35mm f1.4 球面
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結局、ここへ戻ってきました。

ボディはライカM4一択、もしくは次点でM2あたりで考えていたけど(35mmメインなので)、レンズは悩みました。汎用性を考えるとSummicron 35mmだけど、もう一度使ってみたい7枚玉は現在高騰している。しすぎだと思う、せいぜい25万がいいところだと思う。かといって、自分が大好きなSummilux 50mm ASPHは運良ければ30万くらいで入手できるが、50mmである点と、店舗だとまだ高い。ちなみにもう1本好きなルクス50mmの2ndも値上がり過ぎ。一方、旧ASPHのSummicron 35mmが一番適度なのはわかってるんだけど、最近ちょっと値段が上がっているのと、最後にこの旧ASPHの美品を使ってたのが半年くらい前なんだけど、実は写りは普通だなと思ってなんとなく複雑な気持ちだった。いやぜんぜん良いと思ってる、個人的にも一番好きなレンズだし、使い勝手がよいのもわかってる。自慢じゃないがズミクロン35mmは新旧ASPHも7枚玉も使ってるので、軽さなら7枚玉、うつりなら新ASPH、両方のいいとこ取りは旧ASPH。ズミ35mmは普通によく写るのがいい。だけど、今回、おそらく人生で最後?になるかな?そこは断言できないけどw(ほんとになw)、最後に自分が本当に気に入って長く使えるものを、と考えたとき、自分としてはこのクセ玉で有名な、そして不相応に値段が上がってしまっている、球面Summilux 35mmを選択しました。まさか人生で2回もこのレンズ手に入れることになるとはね・・・。自分の中の勝手なジンクスですが、私が2回手に入れた機材は「本当に良いモノ」というね(笑)。ちなみにライカM4は3台目です、どや。

今回重視していたのはとにかく軽さ。そのためズミクロンと悩んでいた。今度こそラフに気取らず使いまわそうと思っているので美品でなくてもいい。でも十分に写る、そんな組み合わせ。一瞬、値段も安いしElmar 35mm f3.5でもいいかなとも思ったけど、これも3ヶ月くらい前まで状態の良いものを持っていて経験済みで、おそらくスナップレンズとしては最高の選択の1つと理解している。しかしそれは他の常用レンズを数本持っていた上での話、とも理解している。唯一所有するメインレンズとしては心もとない。軽くて小型で・・・それでいて天邪鬼なもの、となったとき、球面Summiluxしかないじゃない?

しかしライカM4+球面ルクスの組み合わせは最高にクールだと思っている。自分がクールではないことはわかった上で。球面ルクスは最近もっとも値上がりが激しいレンズの一つ。しかしこのタイミングでメンテ済みで安価なものに出会ってしまった。私はこれまでの経緯から、オールドのライカレンズはお宝の取り合いなのだと明確に理解しているので、即断即決。おそらくあの値段でこのレンズを手に入れた最後の日本人だと自負しています。安かった理由はあれどレンズをみて、写りに影響がないと判断しました。ほか動作もまったく問題なし。メンテしたのが、以前からよく知っている信頼できるお店だったのも判断材料。掘り出し物だなと思いました。実は元々はこのレンズだけ手に入れる予定だったのですが、その場にあるM3、M2などを何台か触らせてもらっていて、そこに1台だけM4があるのに気づきました。おそらく状態は並品でしたが、これもレンズと同じ店で動作確認済みのもの。外観は傷多めで、これまで手にしてきたボディよりは古ぼけて見える。使い倒すにはこういうのがいいのかな・・・と思って手にとって空シャッターを切ったとき、巻き上げの感触がかなりスムーズでシャッター音がとても良かった。ファインダーの汚れは多少あるものの、これは・・・。そこでピンときて一緒に購入。M4と球面ルクスを同時買いという・・・。何やってんだと思いますよ、ほんとに。

ちなみにこのシャッターフィール、私はニヤリとしました、同じ店で半年前にライカM4をフルOHして使っていましたので。あの感触の良さは手に残っています。定かではないですが、シャッターブレーキ程度の調整はしてるんじゃないかなと思いました(以前別の業者さんで、目の前でブレーキ調整をしてもらうのをみました)。とにかく全体的な動作はスムーズ。外観のスレから過去に何度か手が入っているのはわかりましたし、こなれた機材の方が使いやすいかなと。

いまは入手からしばらく経っていますが、M4の動作はスムーズですしレンズも写りがよいです。M4は持病のシャッター幕外れがトラウマですが、外観のヤレ具合から過去にそれは経験済みのボディではないかと期待しています。一度メンテされていればそうそう起きないだろうと。

M4+球面Lux35mm/初夏の伊豆高原にて
クセ玉ですが絞るとシャープです

ここからは余談。購入時、それまであまり触ったことなかったM3を何台か触らせてもらいました。その中に有名店「Y」でメンテナンスしたM3があり、店員にすすめられて触りましたが、巻き上げのスムーズさが段違い。なにあれ?すっごいクリーミーな巻き上げ動作でした。20万円台半ばと、相場よりは少し高いですが、あれは一度は触ってみていただきたい。

あと最後に余談。ライカQ2、なんで手放したかですが、使い勝手とか写りは言わずもがな最高なんだけど、まぁデジタルなので、壊れたらアウトだなと思いました。モノはいつか壊れるんだけど、大事に使えばいいじゃんとも思うんだけど、やっぱりラフに扱って壊れにくそうなのはフィルムMって思いました。まぁ出世してまた買えばいいのよ、こんなもんは。やったるわい。

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