カラーネガフィルムの自家現像 Vol.1(薬品編その1)

※6/16追記
正規のカラーネガ現像液(CNL-N1R)での現像もトライアルしました。
カラーネガフィルムの自家現像Vol.3に記事を書きました。


※7/27追記
現像液「CNL-N1R」での試行錯誤を記事にしました。
カラーネガフィルムの自家現像Vol.4(失敗〜成功編)


※9/2新記事
Cinestillのカラー現像キットを試しました。
Cinestillの粉末カラーネガ現像キットを試す!

今回はカラーネガ自家現像の忘備メモになります。
半年ほど前からカラーフィルムの自家現像にチャレンジしています。モノクロの情報は結構あるのですが、カラー現像は情報が少ないですね。調べるのに難儀しました。特にKodakのエクタカラーを使用している例が少なく、すでに販売終了している薬品の例などが、十数年前のブログとかに残っていることが多いようです。いくつか有益な情報があるにせよ惑わされる情報もありました。Kodakのサイトに現行の薬品の調合割合が載っているのですが、一般の方がメモってくださっている調合が微妙に異なっていたり・・。いろいろと調べて現時点でわかってきたことがありますので、一例としていただければと思います。

4/28にVol2の記事も投稿しました。
カラーネガフィルムの自家現像 Vol.2(カラー現像液の作成)

使用している薬品

発色現像液
・KODAK エクタカラーRA発色現像補充液 RT 10L(10L用)(補充液)
・KODAK エクタカラーRA発色現像スターター(1.2L原液)

「発色現像補充液」がいわゆる現像液ですが、3種類の液体をわりと神経質に調合することになります。混ぜるとき最初透明な薬品が赤や緑などに色がかわるのでドキドキしますね

コダック Kodak エクタカラー RA 発色現像補充液 RT (10L)
コダック Kodak エクタカラーRA発色現像スターター (1.2L)[EKTARADEVST1.2L]

漂白定着液
・KODAK エクタカラーRA漂白定着液(10L用)

カラーは漂白、定着が同じ液になっているのでちょっと楽ですねw。独特の色をしています。

Kodak コダック エクタカラー RA 漂白定着補充液

薬品の調合について

とてもありがたいことに、公式サイトに調合が記載されています。

KODAK エクタカラーペーパー用現像処理液2リットルの溶かし方(外部)
しかし上記を見て、私が思った疑問は、以下です。

  • (1)500ml分作成するには単純に4分の1でよいのか。
  • (2)現像時間はあくまでミニラボ用の現像機向けだが小型タンクでの手動現像でも同様の設定でよいのか。
  • (3)現像液の保存はスターターまで入れた状態で行うのか、入れない方がいいのか。

(1)についてなぜこんな疑問持ったのかというと、エクタカラーを使用した数少ない情報のいくつかは、300~500ml程度の薬液の調合で、なぜか8分の1の量で調合している情報が多く、そこをどう解釈すればよいか迷いました。ここで私が勝手に想定したのは、上記サイトにはミニラボの小型現像機で現像する温度、時間の記載はありますが、約45秒と短めであるため、個人が小型タンクで現像する場合、濃度を薄め(1/8)にして、その分、現像時間を7、8分あたりに伸ばしてうまく調節する裏技のようなものがあるのかなということ(薬品がフィルムにきちんと浸透するまで時間をかけた方が安定すると思われるので、そうしているのではないか、ということ)。
しかしこれは想定が外れました。Kodakへ問い合わせをして確認したところ、上記記載の濃度での対応が望ましいとの回答でした。そのため例えば500mlを作成する場合は記載の4分の1の濃度の溶液を作成するのが正しいようです。

(2)現像時間については、回答を得なかったのですが、自分が数本試したところでは、温度30度で対応する場合、6~7分程度の現像時間が必要そうです。(4/14追記)私は現在8分で対応しています。(5/30追記)私は最近9分で対応するようにしています。(6/5追記)最近8分半〜9分で試すこと多し。
現像時間が短いとネガの乳剤が微妙に落としきれてないことがあり、クリアな(オレンジ色の)ネガにならないことがあります・・・ここは試行錯誤中です。現像液の鮮度とかも関係するかもしれません。自分の場合は1リットル〜1.5リットルを作り置きしておいて、1、1.5ヶ月以内には使うのでそこまで鮮度は落ちないかなと・・。
(このあたりは自己責任にてお確かめください。逆にお手元で適切な対応方法をご存知な方、良い対応を行ってらっしゃる方はお便りまってますw)。
Kodakサイトに載っている45秒は流石に短いですし(あれは現像機向けとか、ペーパー向けの分数ですかね・・?)、温度も指定の35~38度ではなく30度で対応しています。あまり高温でネガを痛めても嫌ですし、時間短いと撹拌が少なくネガがきれいにならないような気がして。当初は3〜4分くらいかな?とも考えましたが、手元のトライアルで最初5分で対応したところ、フィルムが暗く現像失敗しました(しかも旅行行ったときのネガとか・・)。そこから6~7分、8分、現在では9分あたりが適度では?と考えています。今後も試していこうと思います。

(3)についてはKodakより明確な回答をいただきました。これは他の一般のブログでもおっしゃってる方もいましたし、薬品の名称から想像できるので、当然とも思われますが、やはりスターターは現像直前に入れる方が望ましいそうです。なので薬液を作り置きして保存する際は、「RA発色現像補充液」のA、B、Cを調合して保存。現像時にスターターを入れてから現像を行う方がよいようです。

最近Rollei 35Sで撮影したもの(Kodak UltraMax400)
同じく35S+UltraMax400、そこそこシャープに現像できている
コンパクト機のため限界あるが、わりとよく写っている

一応自分のレシピ

発色現像液(1,000ml/1リットル)
・KODAK エクタカラーRA発色現像補充液 RT 10L(10L用)(補充液)
パートA:40ml
パートB:18.7ml(多少目分量)
パートC:40ml
・KODAK エクタカラーRA発色現像スターター(1.2L原液)
スターター:25ml(ただし使用時は250mlで使うので6.25ml)
※スターターは1リットルには25mlですが、自分は使用時250mlで使うため4分の1の量を使用時に入れて使います。なので普段25mlは使いません。

漂白定着液(500ml)
・KODAK エクタカラーRA漂白定着液(10L用)(補充液 使用液兼用)
A:71ml(多少目分量)
B:100ml
※漂白定着液はなぜ500mlかというと、この500mlをフィルム数本分は使い回すので1リットルの量は不要としています。使用時は250mlで1本、それをまた元のボトルに戻して使いまわし。(横着なのでフィルム5〜8本はこれでやってしまっているかも)

一応、以上が最近試してみてわかってきた内容になります。タイトルに「(薬品編)」と入れているので今後もなにか進歩があれば都度記載していこうと思っています。そのうち以前から対応していたモノクロ現像についても触れたいとは思っています。

※20/6/6追記
ちなみに、自分はペーパー用の薬品でネガ現像を試しているのですが、それは量販店でかろうじて入手できるからとなります。で、でだ、一方でKodakにはカラーネガ現像用の「C-41RA 発色現像 フレキシカラー」という薬品があるわけなんですが、これを試して見たくて入手まではしたものの、念のためKodakに薬品の希釈とか教えてほしい旨問い合わせたところ、「完全に業務用の薬品で現像機向けにリリースしており個人にはおろしてないのでご了承ください。」といったご回答をいただきました。素人がいじるなという感じですね。あと薬品が強いので肌についたりすると危ないので気をつけてね、ということで、完全に業務用と割り切ってるようですね。海外のYoutubeでこの薬品で自家現像試してる映像もありましたが、うーん、自分はとりあえずいいかな・・・。他に面白い薬品や、アイテムあったら試そうかなという感じ。

※20/4/27追記
4月に追加でカラー現像した写真のギャラリーを追加。割とバランスよくできたかなと思います。(一部Photoshopにて補正あり。機材はLeica M4(後半)、M6(前半)、前Kodak colorplus200〜後Kodak ultramax400あたりかなと・・アバウトですw)


以下最近つかっている薬品など。

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ライカM-A typ127、古風×最新のレンジファインダーフィルム機。

ライカM-P(デジタルの方)を入手し、フィルムではライカM4を入手し、それを持って海外にも行き、まったくもって満足していましたし、自分としても納得できる写真も撮れていました。趣味の範囲での話ではありますが、もう十分だと思っていました。

でも安定してしまうと、人はなぜかそれを壊したくなるw。
持病の発作が起きました。
「最新のフィルムライカはどうなんだろう・・・」。

人類の飽くなき探究心が今の発展を生んだのだとすると、私もまたその系譜に寄与しなければならない運命なのでした。
とはいえライカMP(M-PとMPでデジタルとフィルムを区別しますね)は現在高騰しており、さすがにもう手が出ない。一方、ライカMAなら頭数は少ないが、少しだけ相場が低い。(数が少ないので場合によるんですけどね、高い場合もある。)

でもね、走り出した青春は止まらない。もう頭がおかしくなっている・・・。今、ライカM4を使っているので最悪、露出計はなくても対応できる。

・・・ということで「Leica M-A typ127(ライカMA)」を入手しました。正直、結構あぶない橋渡ってると思う・・・。

silverの質感、革の手触りもいいです

美品として入手したライカMAですが、最初にフィルム1、2本の撮影を終えて現像したところ、なんだかボケている。M4で得られるシャープさがありませんでした。
・・・これが最新機種の実力?いや、他の作例をみてももっとシャープなはずだ・・・。レンズの調子も疑いましたが、現行Summicron 35mm ASPHですし、購入間もないためレンズの不調は考えにくい(しれっとレンズがASPHになっている汗)。最新のASPHがフィルムと合わないのだろうかとも思いましたが、現行でフィルム機出しているメーカーがそんなことあろうはずもなく、さまざまな疑問が頭をよぎりました。
最初に疑うべきとは思いますが・・・行き着いたのは「距離計のズレ」。確かに無限があっていないように見える(オーバーインフというやつです)。最初にこれを疑わなかったのは、過去に使用してきたカメラでこれに出くわしたことがなかったのと最新ライカMAでそれが出ると思わなかったため。(昔M5で若干タテズレはみたことあります。)
ちょうどその頃、久々に旅行の予定があったため、それまでには調整しようと銀座ライカに持ち込みました。約1.5時間ののち、3千円の料金で調整が完了。はやり距離計がずれていたとのこと。同時に預けたSummicron 35mm ASPHは問題なし。これで気分よく旅行に行ける。

そして旅行先の熱海へ。
ライカMAのシルバーを選択した理由は、元々もっていたM4との違いがフィルム巻き上げ部のみで、まったくカメラに興味のない嫁に機材がすり替わっているのを気づかれないためです。
熱海の旅はとても気持ちのよいものでした。ずっと雨予報だったのですが、行ってみたら最初少し曇っていたものの、途中から晴天になり、上着のコートを脱いだほど温かい。有名な商店街、レトロな街なみ、趣ある裏通り、おしゃれな喫茶店、そして東洋のモナコとして名高い海岸通り、マリーナ。少し外れにあるため安かったホテルも思っていたほど遠くなく、眺めもいい、それに温泉もありました。
ちなみに、熱海駅の裏側の、静かな坂を登っていくと斜面に住宅街があり、その坂のあたりはネコがワラワラいて猫写真を撮りたい方はぜひ訪れてみてください。かなりの数の猫がウロウロしています。(カラーは現像しくじったので色がおかしいです。)

ライカMAの使用感としては、現行品の外観のきれいさは格別で、シャッター音も小気味良いものでした。またチリのない見やすいファインダー、鮮明な二重像は、過去にオールドばかり扱っていた身としては新鮮な体験でした。細かい外観の作りで言えば、裏蓋の枠の部分のマッドな仕上げはとても質感がよく手触りがいいです。また本体の革の質感も手に馴染むものでとてもきれいです。モノとしての良さはとてもすばらしい。本当にこれで最後のフィルム機だなと感じていました。

そして、旅行から帰宅していざ現像したところで、なぜかまたぼやけている・・・。これが短期間しか手元に置かなかった理由ですが、どうやっても以前M4+7枚玉Summicron 35mmで撮れていた感じのシャープなものが撮れませんでした。以前はオールドの7枚玉で撮影していましたが、最新のASPHになって逆にぼやけるのは考えにくい。ぼやける理由が見つからない。(カラ現は確かに自分でミスったんですが・・・)

残念なことに、ここで急に熱が冷めてしまいました。調整するなり、色々調べるなりすればなんとかなったのだとは思いますが、気持ちが萎えてしまい、まだ手元にあったライカM4をメイン機に戻しました。そしてライカMAは売却。
思ったのは、最新のライカであるがゆえに正規のメンテが受けられるわけですが、そこに非常にお金かかる。以前、正規店舗にライカM5のメンテを相談したところ、ドイツ送り、数ヶ月待ちで25万と言われたことがあります。またライカへ持ち込んで、ドイツ送り、3、4ヶ月待ちで費用が十数万と言われたら・・・もう厳しいと。
一方、オールドであれば都内に何件かある評判のよいリペアへ持ち込んで、O.H.で数万程度。悔しいですが貧乏人の算用です。当然の対価、必要な投資とは思いつつ、私には維持できないなと。

その後どうしたかというと、ライカM10を購入しました(笑)。頭おかしいのはわかっています、自分でも。その代わりデジタルのM-Pとのさよならがありましたが。当面はM10とM4で、デジタル、フィルムに対応していこうと思います。この機材で当面は対応する予定なので、M10-PとかM10Mとか気になるものはあるものの(笑)、とりあえずライカの旅は終了です(M10の記事も書こうかなと思います。実はフィルム熱が上がっていてM10あまり使えてないんですけどね・・・)。

そして最後に、最近気づいたことがあります・・・。
上のエピソードからライカMAは良くない製品なのだろうか、もしくは私が入手したものがたまたまよくない個体だったのだろうかという点。ご検討されてる方は気になると思いますが、おそらく製品自体には当然問題ないですし、非常によい製品だと思います。質感もよくとにかく触っていて気持ちいとしか言いようがない、変態じゃないです。

裏蓋の質感がとてもよい

実は気づいてしまったんですが、現像でのぼやけ・・・あれはうちの現像液が古くなっていたのが原因ではないかということ。きちんと検証はしてませんが、うちの現像液、1年ほど前から使っていて、夏くらいまではシャープだったんですが、ここ最近現像したもの(去年の11~12月あたり)がどれもちょっと鈍いんですよね。そのため液のせいではないかというのが私の結論です。あぁつまらない理由で最高級のライカMAを売ってしまった・・・。一方でM10が入手できたのですが、なかなか割り切れないものですね、かなり高い勉強代を払ってしまった(M4が快調なのでその点は安心しています)。

Extended (エクステンデッド) YOSEMITE CAMERA STRAP