これで最後かな?ライカM4。やっぱり完成形はすばらしい。

なんだかライカ歴を紹介する内容になってしまっています。これまでいくつかのカメラを使ってきましたが、自分のスタイルにはライカが一番しっくりきているようです。周りにライカ使いの友人がいないので、使用感の共有もできず、人によっては成金趣味と言われてしまうかもしれませんが、多くの人が好んで使っているってことは、当然ながらブランドやステータス以外にも、使用感や携帯性、シンプルな操作での速射性など魅力があるわけです。

さて、いま私がメインで使っている「Leica M4(ライカM4)」についてです。

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ちょうど去年の年末、とても仕事が忙しく、具体的に何をしてたか記憶にないのですが、当時、確かFUJIFILMのTiaraか、Tiara IIあたりを使っていたのかな?(後日書くかも、面倒だけどw)。ライカM2を手放してしまい、その穴を埋めるように、手軽に撮影できる小型のAF機が欲しいと思い、日本製コンパクトフィルムカメラに手を出していました。ライカM2を売却した理由は当時の金策(こんな話ばっかり・・・)と、シンプルすぎるという点に少し飽きてしまっていたからからな(これも贅沢な話ですね)。M2は使い勝手もよかったし、ある程度雑な扱いをしても問題がないため、自分流に使いこなすには最適な機種でしたが手放してしまった。結局はそれを自分流に着こなして使い切るような「風流さ」が自分には欠けていたのだと思います。

そんな中、またしてもレンジファインダー熱が出てしまいました(こんなことばっかりしてる・・・)。しかもその前後で、実は、これも頭おかしいのですが、名機Nikon F3などにも手を出しており、久々に一眼レフを触ったりもしていました。しかし一眼レフの大きさや重さ、シャッター音の大きさが自分には合わず、結局ライカに戻りたいと思うようになりました。
自分としては、金属の塊感のある機械類が好きで、それでいて小型で質実剛健というものを好む傾向があるようです。そんな経緯で、

やっぱりライカが好き(照)。なにいってんだこの人・・・。

私はこういうときの行動は異様に早い。すぐにM型ライカを物色開始。ライカM6は異常な値上がりで手がでなくなっていましたし、電気系統の故障は嫌だな・・・と、そうなると使ったことない「ライカ M4」に狙いを定めます。

あまりボロボロでなく、一方で値段が極端に高すぎず、それでいてちょっとしたステータス、少し個性が欲しい・・・。相変わらず欲張りです。 そこで作りがよいという噂のある120万台以前のライカ M4を探すことに。外観は実用重視なのでそこそこでよい・・・。それがありました!

数年前にO.H済みで動作はOKで、118万台(適度に初期もの、67年製)、外観は軍艦部、底部に多少のブライトマークありだが軍艦の文字消えなくきれいに表示され、グッタペルカ(バルカナイト?)の剥がれなし、裏蓋回りの塗装、状態もかなり美品、内部も金属の痛みが少なく、ファインダーもきれい・・・。こう並べてみると、かなり高望みな要望ですが、これをクリアしているものが破格の値段でありました。私は、自分を目利きだと思っている節があるのですが、こういうときのわりと外さないことが多いです。

早速入手して実写しました。これは「アガリ(最後)だ・・」と思えるものでした(後日追記:ぜんぜんアガリではありませんでしたw)。モノクロフィルムを入れて近所を散歩、シャッター、巻き上げなど使用感も問題なし。そして現像後、出てきた絵に感動しました。使用感と同じように意図した雰囲気で撮影できていました。私の感露出でもある程度問題ありませんでした。いつも使っているSummicron 35mmでイメージ通りのコントラストのよい写真ができました。夏前までは第3世代の7枚玉、夏以降は最新のASPHレンズを使用しています。(写りの好みとしては7枚玉の方が上だったかもしれません・・・。最近7枚玉、異様に値上がりしてるんですよね・・。)

フィルムの海外持ち出し(インドネシア編)で記載している通り、夏にバリへ行ったのですが、そこでも7枚玉Summicronで撮影。思ってたより涼しい気候でしたが、そこは常夏の島、強い日差しと南国の植物が作り出すコントラストは非常に美しいものがあり、気持ちよく撮影できました。一部、その記事と重複しますが、いくつかモノクロをピックアップ。

ライカ M4は、M型の完成形と言われていますが、確かにそう思います。非常に無駄の無いデザイン、機能性、使用感。クランク式のフィルム巻き上げもその後のライカ M6に引き継がれますが、使いやすいですし、フィルム装填も楽です。それにシャッターチャージ、レリーズも感触がよい。シャッター音も個人的にはとても満足。値段と使い勝手のバランスを考えるとライカ M4はかなりおすすめできると思います。世間でライカといえば「ライカM3」ですが、実は触ったことがありません。というのも広角35mm枠が使えないため、完成度の高さはなんとなく理解しつつも自分としてはM2以降の機種が好きです。
露出計については、当初すべて感露出で撮影していましたが、最近VoigtlanderのVCメーターIIを導入しました。これ付けると露出計を頼るようになり感が鈍るのであまり使いたくはないのですが、当然失敗は減るので使用しています。露出計に頼ると、いまの設定を確認したくなり、撮影のテンポが遅くなるのがデメリットです。気にしなければテンポと自分の感で撮れる。SS固定にして絞りの調整だけで同じ場面を2、3撮っておけば、まず空振りは防げる。とはいえ、なるべく適正露出で撮りたいとも思うので、ここは一長一短でしょう。

フィルムライカはこのライカ M4で最後かな・・・(追記:まさかこのあとも続くとはね・・・)。やっぱりM型の完成形としてすばらしい。(まさかそのあとM-Aが来てまたおかしな方向へ行くとはね・・・ここでやめときゃよかったのに

最後にカラーフィルムで撮影したものを以下に掲載。一部、カラーでの自家現像をはじめて1本目、2本目くらいのものが含まれているのでとても粗いものも含まれています。私は自分で撮ったものを作品なんて呼ぼうと思っていませんが、どれも自分にとっては大事なワンシーン。意味は自分の中にだけあればよいかな、というのを言い訳にさせてください。(今年は台風の影響が大きく後半の数枚は台風が去って被害を受けたあとの多摩川近辺の写真。おそらく自家現像2、3本目あたりのフィルムかな。ちょっと荒いけど陰影はけっこう好きな感じ。)


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海外旅行への写真フィルムの持ち出しについて(インドネシア編)

書きたい内容がたくさんあるのですが、このあたりでこれに触れておかねば期を逃すかな・・・と思われる話題(期ってなんだ)。

海外旅行での写真フィルム撮影、写真フィルムの持ち出しについて。

インドネシア編とかいっといて、別の編はあるのかないのか(うん十年ぶりにパスポートとったので)。

ちょっと前にどなたかのTwitterでお見かけして自分も気になったのですが、世相を反映してか、海外の空港でのX線装置が強化されているとのこと。昔の装置であれば数回程度のX線通過で写真フィルムが駄目になるということはなかったそうですが、最新の装置では一発アウトになる可能性があるとか・・。フィルムの紙の外箱には多少のX線は大丈夫と書かれていたりもするのですが、昔から書いてあったようにも思うので、今は基本NGと考えておいた方がいいのかなと思います(現行フィルムもあるわけですし、文化に対してセキュリティとのジレンマかなと・・・)。フィルム写真が趣味でない方からはデジタルでいいじゃんって言われそうですが・・・そうじゃない、そうじゃないんだよ・・・。
空港職員のハンドチェックを断られることも増えたといったエピソードも聞くようになりました。もちろん人や国、情勢によりますが。

フィルムカメラ持ってインドネシア、バリへ

さて本題。私は2019年8月にインドネシア、バリへでかけました。フィルム約15本とライカM4を持っていきました。またデジタルはライカM-P(typ240)を持参しました。本記事では写真フィルムを持って海外へ行ったときのエピソードを記載いたします。ちなみにレンズは Summilux 50mm asph、Summicron 35mm(7枚玉) を使用しました。レンズの詳細も後日書こうかなと思いつつ、ボディの話を先に書く予定です。

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また持ち込んだフィルムは以下にあげたものになります。Kodak Proimage100、Kodak Ektar100、ILFORD DELTA100、富士フイルム ネオパン 100 ACROS、オリエンタル NEW SEAGAL 100。個人的には Proimage100 好きなんですよね。

<出国時>
・出発:羽田空港(東京)
・経由地:クアラ・ルンプール国際空港(マレーシア)
・到着:デンパサール国際空港(インドネシア、バリ州)

<帰国時>
・出発:デンパサール国際空港(インドネシア、バリ州)
・到着:成田空港(東京)

行きがマレーシアでのトランジットがあり、その分、多くの関門を突破しなければなりませんでした。事前に想定していたイメージとしては、羽田、成田は国内であるため、行きも帰りもおそらくハンドチェックで問題なかろうということ。ここは結果的に想定通りでした。そして気をつけるべきは海外空港の手荷物検査。

といっても特に特殊なことはなくて、とにかくフィルムは手荷物に含めるということと、空港職員にハンドチェックを依頼する、という2点が中心です。しかし、相手の空港職員がこちらの言うことを聞いてくれるかどうかはその時次第。アンコントローラブルな部分となりますが、うまくコミュニケーションすればある程度対応してくれそうです。

空港で私が対応したこと

まずは搭乗時。手元に持って搭乗する「手荷物」にフィルムを含めます。航空会社により持ち込める手荷物のサイズ、重量に制限があるため注意が必要かもしれません(フィルム程度ならそこまでかさばりませんが・・)。
預け荷物にしてしまうと、航空機への積荷する際に、より強力なX線を通されてしまうためフィルムが駄目になる可能性が高くなるとのことでした。

事前準備として行ったのは、料理用のジッパーのついたビニール袋を用意し、写真フィルムをプラケースから出した状態で入れることでした。フィルムの海外持ち出しで調べると、プラケースに入れたままだと検査時に1つ1つプラケースを明けてチェックされるので時間がかかる、という内容が散見されました。空港職員も手間かかると面倒がってX線を通されてしまいかねないので、あえてプラケースから出して入れました。フィルムにゴミがとか、空気に触れてしまうとかありますが、X線よりはマシだと割り切りました。また相手も明らかに中身が見えているものまでは、パッとみて理解すればそのまま通してくれるのでは、と想定しました。結果的にそれは当たっていたように思います。


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では実際の検査時、検査ゲート前に並び、ベルトコンベアに荷物をおいていくわけですが、並んでいる間に声をかけるべき職員めぼしをつけました。手前側に職員がおらずゲートの奥にいる場合もありましたが、手前にいる場合は事前に声をかけてフィルム袋を渡して説明しました。奥にいる場合は声をかけるタイミングを待ちました。

フィルム袋にはあらかじめ大きめな紙のシールを貼っておき(付箋のようなシール)、そこに英語と現地語(このときはインドネシア語)で「Hand inspection, please」とマジックで書いておきました。袋を渡すときも口頭で「Hand check please」と伝えました(検査はinspectionが正しいのですが、口頭ではCheckという言い方でもよいのではと思います)。ただ袋を手渡してみると、一瞬怪訝そうな顔で袋を眺めるのですが、文字を読んでる感じはなく、わかってる人はOKOK的な感じのリアクション。よくわかってない人は怪訝な顔で奥の上司?他の職員にみせて何か確認した上でゲートの向こう側にもっていって、検査後に渡してくれました。

袋詰めにしたフィルム

結果的に、今回の旅では、一度もフィルムはX線を通さずに通過することができました。
ただしちょっと注意が必要だったのは、経由地のクアラ・ルンプール国際空港の入国時と出国時。最初、ハンドチェックプリーズということで渡したのですが、大丈夫大丈夫というようなリアクションで、そのままベルトに載せろといわれました。ここは一応粘ってもう1度言うと、渋々目視でチェックしてゲートの奥まで持っていきました(そこで別の上長らしき人が再度、袋の中身をちょこちょこ見ていました)。ゲート通過後、声をかけるとさっと渡してくれました。
また、もう一回ゲート通るときは、口頭で言って手渡したのですが、無言でそのままベルトコンベアに袋を戻されました。直前で嫁が気づいて職員に強めに「ハンドチェック!」といったら受け取ってX線を通さずにすみました。特に感情的なコミュニケーションはなく、相手も終始無表情ですし、こっちも普通に何度か言えば伝わる、という感じでした。
こういう場合、2、3度言って向こうが頑なにX線通せといったときはあきらめて従うことにした方がよさそうです。あまり変な態度を取ると別室に連れて行かれて詳しく検査される場合もあるようです。国により情勢が異なるため難しい点かもしれません。観光客が多い国では、政情が不安定でない限り、おそらくフィルムの持ち込み程度は問題ないのではと思いました(あとは空港職員による・・・)。
ちなみに、インドネシア(デンパサール国際空港)では、入国時も出国時もわりとスムーズでした。フィルム袋を渡してちらっとみるとすぐOK出ました。たまたまかもしれませんが、そこまで気にしてる感じはありませんでした(経由地からの便は、そもそも経由地でチェック受けてるはずなので、それで安心しているのかもしれません・・・あまり海外経験ないのでわかりませんが・・)。

以下、バリの現地で撮った写真ですが、現像上がってきたとき、「勝ったな」と思いましたw。空の青がきれいにでてる、それだけでもいい思い出になりました。