ライカレンズ「Summicron」遍歴その3

Leica M4 + Summicron 35mm f2 ASPH.

僕らのSummicron遍歴の続きになります。過去の記事は以下になります。

ライカレンズ「Summicron」遍歴その1
ライカレンズ「Summicron」遍歴その2

えー、Summicron 35mm ASPH.を入手しました。今回は旧バージョンのASPHになりますので、フードがプラ製のはめ込み式のものになります。

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いま50mmはSummilux ASPH.を使用しており、このルクス50asphとクロン35asphのコンビは、ちょうど1年ほど前に所持していたレンズ構成に戻ってきた感じです。戻ってきたというのもルクス50asphも当時とは別の、同じ、レンズですので(笑)、いろんな遍歴を経てまた一周してきた感じになります。緊張の連続でした(謎)。何、やってるんだろう・・・。

今回入手したクロンは旧ASPH

といっても当時のクロン35asphは、現行品のフードねじ込み式のものでしたのでそこだけ異なります。当時のクロン35も現行品ということもあり満足していたのですが、欲を言えば少しだけ本体が大きく、フードも金属製で大きいため重くかさばるのが気になっていました。だからというわけではないのですが当時別で調達したSummilux 35mm 旧ASPHの資金として消えてきました(重さに文句いうわりには結果的にルクス35の方が重いというね)。

それで今回は、いろいろ考えて旧ASPHのズミクロン35mmにしたわけですが、個人的に(フードキャップの取れやすさ以外は)このプラ製角型フード好きなんですよね。最初にこのフードが付くレンズを手に入れたのはSummicron 35mm第3世代7枚玉のときでした。この7枚玉がとても使い勝手がよく活躍してくれたためとても好印象を持っています。7枚玉は写りがよく小型・軽量でも有名ですので、どうしてもあの使用感を求めてしまいます。

今回購入した4世代目にあたる旧ASPHは、7枚玉よりはサイズが大きくなり、重くもなっているのですが、現行ASPHよりは小型で、フードもプラ製のためか軽量です。また写りに関してはASPHの新旧で大きな違いがないとも思っているので、値段を含めて考慮すると一番バランスがよいと考えての判断になります。新旧の違いがないと言いましたが、厳密にはあるのは理解していますが、自分のような素人の目にはその差はあまり関係ないと考えます。

同じ程度の値段を出す場合、7枚玉と迷うのがとても悩ましい。しかし7枚玉は人気のため値段が高く(King of Bokehですからね)、それに経年のため状態が様々で、値段と状態のバランスが悪いと感じます。状態わるくても高かったり、状態が良ければ当然高いですし、値段が安いものはフード+フードキャップなど備品が付属しなかったりする。結局あとで備品を揃えたり、メンテナンスで追加金が必要になることがある。写りがよくて小型・軽量とか最高の35mmなんですけどね・・・・。

以前持っていた7枚玉はフードありでしたが、外観がかなり傷が多く、後ろ玉の周辺に薄く雲りありました。そのためアンダー20万で入手できていましたが、外観の傷にせよ薄い曇りにせよ実写にまったく影響なくとても写りがよかったです。(いまだと薄曇りありで25万~くらいするかな・・2020年11月現在)。

それでは今回入手した旧ASPHについてです。まえおきが長い・・。

50mmと並べたところ

外観などは使用感を感じないほど美品で、傷や汚れはほとんどありませんでした。またレンズ面ももちろん問題なし。それに元箱、取説、フード、フードキャップ、前後キャップなどの純正備品がフルセットでしたが、かなりお買い得でした。しばらく前から自分の中である程度の金額で状態のよいものを物色していましたが、希望通りの内容でした。6bitなしなので少し古いものですが、元箱が最近のデザインのものになっていたので、近年のものなのかなと。

写りに関しても、24枚撮りフィルムで試しましたが問題ありませんでした。安心できる写り。自分は基本的にはふんわりした印象を撮りたいというよりは、シャープに目の前の光景をそのまま切り出したいタイプなので、やはりズミクロンは安心だなと思いました。

ズミクロンの相場があがってる

話は少し変わって最近の相場の話。

最近、ズミクロン35mmを中心に7枚玉や旧ASPHを物色していました。新宿あたりの店舗にいってみていたのですが、クロン35mmの相場が少し上がったような気がします。国内の、それも都内を中心としたライカ相場は、某1階と地下に専門店を持つショップがコントロールしていると陰謀論のように囁かれることもありますが(冗談ですよ、あしからずw)、その店は専門でやっているがゆえに少し高めの設定をしているようです。そこに引きづられてか、他の、最近店舗を大胆にリニューアルして話題のお店も少し高めでした。

都内ショップの価格帯でいうと、Summicron 35mm 旧ASPHの場合、最近は25~32万あたり。個人的な肌感覚だと(以前は)20~25万が相場だったと思うので少し値段が上がっていますね。正直、旧ASPHの美品に32万だすなら、もう少し積んで現行ASPH(35万くらい)買えるよねと思ってしまう。売り手の立場にたって考えれば、このあたりのプライシングは絶妙といえるかもしれない。逆に25万前後のものは備品が欠品してるか、外観傷多めだったりするので、とにかく実用派にはこのあたりがおすすめでしょうか(新しいレンズなのでそこまでレンズ状態わるいものはないかなと思われる)。

先日、旧ASPHを入手後に、某店舗で状態よさそうな7枚玉を25万で見つけて一瞬よくない考えがよぎりましたが、さすがにもう冒険※したくないなと思いました。

※冒険=金策、またそれに伴う緊張感のこと

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ライカレンズ「Summicron」遍歴その2

前編はこちら:ライカレンズ「Summicron」遍歴その1
11/6 ライカレンズ「Summicron」遍歴その3を公開しました。

Summicron 50mm 2nd(第2世代)

Summicron 50mm第3世代を持っているのに、なぜ?。

そう、ライカと付き合いだしてから自らに「なぜ?」と問うことが増えました。しかしいつもモノを手に入れてから自問するため意味はないのですが。
もっともらしい理由を考えると、第3世代は現代的な写り、一方で1つ前の第2世代は少しコントラストが低くオールドな写り、とどこかの記事で読んだことがありますが、その違いが私の好奇心をくすぐったのでしょうか。
ライカレンズにまつわる言説は、レンズごとの特色をうまく説明するためのレトリックでしかないとも思えるのですが、それを確かめられずにはいられなくなるのがライカ病の怖いところ。

このレンズ、メンテナンス後に短期間で売却したため、作例が残っていない。記憶ではいくつかあったはずだが、手元のデータフォルダになかった。(察していただけると幸いですw)
<追記>
試写はメンテナンスが終わったあと少し行った。そもそもメンテが必要という状態だったわけですが、外観は非常に美品だった一方、レンズ面はカビ、汚れがひどく、絞り羽根の赤錆がレンズに落ちている状態でした。見た時はゾッとしましたが、頭を切り替えてメンテに出すことに。見事レンズ面は実用というところまで持っていきました(羽のサビもきれいに)。写りですが、夕方の風景を撮ったのであまり全体的な評価にならないものの、シャープさ、コントラストはとてもよかった記憶があります。夕焼けもきれいに赤がでていた。<追記終わり>


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Summicron 35mm 7枚玉

どこかで触れようと思いますが、あるタイミングで私は、Summilux 50mm 2ndを入手していました。この経緯がかなり苦しくもうしばらく自重しようと思っていましたが、直後にSummicron 35mm 7枚玉を手に入れる危険をおかしました。正直「あぁ、びょうきなのかも・・」とも思いましたが、今となってはどうでもいい。その頃、Summicronの35mmが猛烈に欲しくなっていました。


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当時はスナップも意識し35mmのライカレンズにあこがれていた。値段的にSummiluxは対象外でした。またSummicron 35mmのASPHに憧れたものの、値段的に入手しやすいのは初期の6枚玉あたり、その間で揺れていた。おそらくこの頃から、ライカレンズの「◯世代」というのは意識するようになった。6枚玉もよいですが、仕様がいくつかあり、初期のものは使いづらそうというイメージで敬遠した。そして、写りもよく、偏愛する方もいるほど評判のレンズは「7枚玉」。しかし当時どこにも在庫を見かけなかったし、かなり値段も高かった。ただ欲しいと思ってみてみると出てくるもので、割安のものをみつけ衝動的に入手した。

外観は相応に傷、汚れがありバクチだったが、自分の見立てではレンズは問題ないと判断した。結果的には実用品としては十分。レンズは後玉周辺にごく薄いくもりがある程度で実写に影響なし、大きな難としてはピントレバーが削れてシルバーむき出しになっている、文字のあたりが汚れてかすれている、という程度。これが非常に活躍した。このレンズの活躍がさらに私をライカ沼へ引きずり込むことになった。

その後現行ASPHなども経験した身からしますと、この「7枚玉」が歴代で一番好きです。とにかくよく写るし、きれいにボケるし、シャープに写るしで、フィルムでもデジタルでも活躍した。デジタルで撮ってもオールドレンズという感じはまったくしませんでした。とてもシャープでコントラストがよい。モノクロでも気持ちのよい陰影を作り出す。歴代レンズの中でも小型・軽量で使い勝手も抜群によい。このレンズはわりと長く使用して、その後自分の結婚式やバリへの旅行へも帯同、一番活躍したレンズとなりました。

以下、フィルムでの作例。後半はバリ、ヌサドゥアでの写真。

このレンズは使い勝手もよく、多少レア玉でもあるため手放さないと思っていましたが、諸事情により手放しました。(その後、値段が異常にあがって30万前後出さないと手に入らないレンズになりましたね)。よく考えるとその値段なら1つ前のASPHが買えてしまうという。いまの個人的な判断としては、実用を求めるなら旧ASPHを購入する方がよいかもしれません。

Summicron 35mm 現行ASPH(フードねじ込み)

最新の現行レンズがほしい・・・。もう頭おかしいですよね。

Summicronの現行ASPHレンズを入手しました。新品のレンズ、正直きもちがいい。最新レンズなので6bit付き(正直なくても困らないですが)。なにが正解かって、最新のレンズを使うのが間違いないはず。とにかくよく写る、使い勝手がよい。

まぁ個人的には前が小型・軽量の7枚玉だっただけに、レンズが少し大きくなったこと、金属製フードのサイズが大きいため、多少かさばるようになったこと、それが総合して重量が増えたことなど、多少のデメリットもあった。個人的にはフードは7枚玉~旧ASPHの四角いプラ製のがよかったが、あれはあれでフードキャップが安っぽく取れやすいので一長一短かなと。いずれにせよ、現行ASPHは気持ちよく使える、フードカバーも上からかぶせるタイプで落ちにくい、とてもよいものでした。

当時使っていたのは現行フィルム機の「ライカM-A」。最新同士の組み合わせにご満悦ではあったのですが、どうもピンぼけするなということで、よく調べると距離計がずれていました。これを最初、最新ASPHだからフィルムと合わないのか?など考えましたが、色々考えて距離計のメンテナンスを行いました。ピンぼけはそれで治ったといえば治ったのですが、それでも、以前のM4と7枚玉の組み合わせのような気持ちのよいシャープさ、きれいな色のりがでない・・・(レンズは距離計修正のときに問題ないとお墨付きをもらっていた)。

これがどういうことなのか考えてかなり悩みました。ASPHがフィルムと合わないのか、機体が悪いのか、もしくは逆に「7枚玉」がとても良すぎたのか・・・。ここでよぎったのは、昔、ライカM5を正規のメンテに出そうとして出てきた見積もりのこと。3〜4ヶ月ドイツ送りで25万。もちろんM5にそんなにつぎ込んでいません。正直、この時点で手持ちの機材にそんな追加投資ができるわけもなく・・・。機材を信じきれなかったということなのでしょう。他にもいくつかストレスを抱えていたこともあり売却を決意しました。こういうのは即断、即決です。サンクコストもばかにならないので冷徹さも必要なのだと思います。

そして、その代わり迎え入れることになったは、Summilux 35mm ASPH(Non-fle)。非常に状態のよいものが安くでていたので、F1.4の35mmを求めていたこともあり購入。事前にフォーカスシフトについては色々と情報を得ており、自分のようなスナップ的な使い方であれあまったく問題ないことはわかっていたため、非常に満足の行く流れになりました。この35mmは非常に過小評価されていると思います(Summiluxについてはいずれお話します)。

ただ、売却からしばらく経ってあることに気づきました。手元の現像液が少し古くなっていたこと。現行のASPHレンズをバカバカしい理由で手放してしまいました(ここでM-Aも・・泣)。

Summicron 50mm 4th現行(フード組み込み)

以前から、Summicron 50mm 第4世代は気になっていました。小型でスタンダードな50mm、それにフード組み込みで使い勝手もよさそうです。シャープさについてはもう何十年もスタンダード。

他のレンズで満足していたため、なくても困らなかったですし、逆にそこまで追加投資できなかったわけでもありますが、手持ちのSummilux 50mm ASPHに悲しい事故があり・・・私のもとではよく起こりがちなのですが・・・あれは悲しかったなぁ(遠い目)。

やっと手に入れてメインで使っていた現行のSummilux 50mm ASPHを手放さなければならなくなりました。このとき手持ちの50mmがなくなってしまうことから急遽入手したのが、この第4世代でした。変な話なのですが、このSummicron 50mmを私に売ってくださった方のところに、その後、Summilux 50mm ASPHが嫁いでいきました。なんだか政略結婚みたいな感じ。要はその差額で私は命拾いし、転んでもただでは起きない精神で、Summicron 4thを手に入れたと。

とにかく現行Summicron、写りに関してまったく不安がない。50mmのSummicronは3rd以来でしたが、フード組み込みなので小型で使い勝手もよく非常に取り回しがいい。Summicronがこれ以上でも以下でもないというポジションを長年得ていて、それこそ以上でも以下でもなく使えるレンズだ、というのは手に入れてみた方ならわかるはず。写りはシャープ、コントラストもよい、よく写る、ボケる、小型、軽量、フード内蔵。これ以上なにかいりますかね?

久々に手に入れてみてフィルムでもデジタルでもシャープによく写る。スナップ、旅行、日常風景、オールマイティに活躍する。他のライカレンズより比較的入手しやすい値段ですが、決して廉価版レンズではなく、すべてこれで事足りる程クオリティが高い。目移りさえしなければこれ1本でアガリ、でよい気がしています。

しかし(おや不穏な空気が・・・)、私はSummiluxを手放してしまったことを後悔していました。それは直近のASPHのことではなく、もっと以前に持っていたSummilux 50mm 2ndのこと。私はこの2ndをかなり気に入っていました。あの独特の描写、明るさ、若干残るオールド感。一度、最新のASPHレンズを経ているからこそ、あのレンズが恋しくなる。そこそこ古いレンズですが、作りがとてもしっかりしているのも知っています。持っていたのは、少しリングにガタもあり、外観も少し難のあるもの、グリス抜けもありました。それでも使い勝手、描写はとてもよかった。2ndを手放してから、相場が一気に上がってしまいました。以前より+10万程度の値上がり。もう入手はむずかしいなと思っていたのですが、適度なものが出てきてしまった。こういうとき、ノルかソルかで乗れない奴はダメだと思う(笑)。即決、いちいち躊躇してたら手に入らない。

現在は50mm、35mmのSummiluxをメインにしており、フィルムもデジタルもまったくもって満足しています。おそらくレンズ沼は・・・年齢的にも金銭的にもここが終着点かなと思います(6/16追記:この発言の2週間くらいでそれを覆すんだもんね・・w)。最新のSummilux 35mm ASPHはおそらく値段的に無理だし、他の機材なげうって入手するほどでもないと思います(宝くじが当たれば・・・)。・・・・あぁ今回はSummicronが主役なのでまた別の機会に。

といった感じで、いま手元にはSummicronはなくなってしまったのですが、この後の人生でもしまたSummicronを手に入れるなら1stの沈胴かな・・。いまは状態のよいもの少なくなりましたね。あとはもう一度、35mmの7枚玉か・・これもASPHより高い場合あるのでどうかしてますね。って、ぜんぜん終着駅じゃないw。




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