Summilux 35mm f1.4 ASPH FLE、自分的には頂点。

前回の記事で私のSummilux遍歴をご紹介しました。そして遂に、このレンズを手に入れることになりました。

それは、現行Summilux 35mm f1.4 ASPH FLE。

Summilux 35mm f1.4 ASPH FLE
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やっとここに到達・・・。

ずっと自分には縁のないレンズだと思っていたし、他にもボディへの投資も含めると、それこそ宝くじが当たったら買える、という位置づけのレンズでした。

ライカレンズには他にも高額レンズはたくさんあり、アポズミクロン50mmもそうですし、新旧ノクチルックスというF0.95〜F1.0、F1.2の魔物感のあるレンズもあります。ノクチは大御所の写真家が表現として使うイメージでおり、自分として主流のレンズというより特殊なレンズという位置づけで縁遠い存在と思っています。またアポズミはほとんど開放での使用を前提としているようなレンズで、厳密なシャープさを売りとしており、個人的な用途であるスナップや、少しにじみを含んだ表現を好む私としてはここまでシャープでなくてもよいのかなという判断もあり、アポズミも自分の範囲外(そもそもレンズ1本で100万、中古でも70万とかなので買えないわけです)。そのためスタンダードなレンズの中では王様はこの現行Summilux 35mmだと考えています。異論は承知しますがそこは私感なのでお許しを。ちなみにFLEという表記は旧ASPHとの差を表現するもので、レンズ後群にフローティングエレメントがあるかどうかを示しています(現行50mmのLuxと同じ仕様ですね)。これで1つ前の世代の旧ASPHレンズと比べてフォーカスシフト問題が解決されています。

本レンズは値段も高いため相応の痛みを伴うわけですが、ここで前回までにご紹介した現行ズミクロン50mmと球面Summilux 35mmを放出しました。どちらがよいという優劣ではないので、気に入らなかったわけではありませんし、球面Summiluxの個性は手元に1本持っておいきたいところでしたが、現行Summilux 35mmを入手するとしたらこれが最後のチャンスと考えました。レンズに出した金額としては自分としても最高額ですね・・怖い。

Summiluxとフィルムで我が子の姿を残したい

私は、以前からSummiluxとフィルムで我が子を撮るのだ、という希望を持っていたのですが、この非常によく写るレンズとライカM4を持って、子供の誕生を待つことになりました。このご時世、産院への付添いや立ち会い分娩はNGで、生まれても会えるのは妻の退院までお預けとなりました(個人的には病院や血や壮絶な場面は苦手なので少し助かった気もしています・・妻からは苦しんでる姿を見せてやりたいと呪詛の言葉を言われていまいたがw)。また結果的には病院の判断で途中で自然分娩から帝王切開に切り替わっての誕生でした。

かくして私は、妻子の退院日にライカM4+Summilux 35mmレンズをもって病院へ向かいました。妻には以前から、「子供とのファーストコンタクトはファインダー越しにする」と謎の宣言をし、出迎えることにしました。向こうから子供を抱っこして近づいてくる妻と我が子を1枚撮りました。写りに関しては期待通り。もちろんこの撮影より以前に試写はしているわけですが、フィルムでもデジタルでももう本当に十分写るし、自分が知ってるSummiluxのシャープかつしっとり感のある写りでした(よく写るレンズとして名高いですが、やはり撮りづらいものや場面、クセのようなものはありますからね・・・)

ファーストコンタクトといいつつこれは2枚目に撮ったもの

フィルムでもかなりシャープに写るだろうことは理解していましたが、ここまできれいに写るとは改めてよいレンズだなと思いました。きれいなボケを作ってくれます。私が内心志向しているフィルムをベースにしつつきちんとシャープに写る、それでいてボケの感じも自然で美しいという写真が撮れました。

暗めの駅構内ですがよい写り
ある程度の明るさでも持ち味を出せていると思われる

このレンズについてはレビュー記事などを漁ったり、いろいろと情報収集をしてきましたが、あまり情報は多くない印象。作例ありの参考になるレビューとしてはマップカメラさんやヨドバシさんのサイトでしょうか。個人の方のレビューなどみたいのですが、少ないです。持っててもブログ書かない人もいらっしゃるのかな。せっかく自分が持ってるんだから何か語ってやろうとか思うわけですが、実はそんなに書くことないんですよね(笑)。あとちょっとした誤算は、新生児なので当然、嫁ともども外に出れないという・・・。そのため外出しての街撮りとか、天気がいい日の近所の公園とかも撮れない状況です。

あまりいろんなシチュエーションの作例がないのですが、ご提示するとしたらこんな感じ。いづれもフィルムでの撮影です。(カラーはKodak Gold200、モノはILFORD Delta 400だったかな・・)

ミルク後のおねむ時間
こちらは明るい室内
モノクロフィルム/屋外

以上がフィルムでの作例。1枚目、そこまで明るくない室内での開放ですが、多少ボケが暴れるにせよ、よい雰囲気です。2枚目は少し絞っていたと思いますが、普通に写る状態。3枚目は屋外で天気がよい日にモノクロで撮影。フィルムにもよりますが、個人的にフィルムで出せるシャープさとしては満足です。オールドも何本か使用してきたのですが、オールドはよく写ったときの味というか、独特の雰囲気は好きですが、コントロールはむずかしいと感じています。露出の差で粗めに出たり、色乗りがわるかったり。まぁそれが味といえばそうですが、コントロールのしやすさは現行レンズならではかと。

さて、以下はデジタルで撮影した作例。こちらはギャラリーでご覧いただこうと思います。基本的には現行レンズはデジタル機向けの仕様なのだと思いますが、もうまったく言うことなし。久しぶりにデジタルでライカレンズを扱いましたが、これこれ、と思ってしまう色乗り、シャープさ、ボケ感。よきです。

ちなみに話が前後しますが、手に入れたレンズの状態に触れておきますと、店舗ではAB品的な扱いでしたが、特にスレや傷は見当たらず、備品も一式揃っているものを購入。何本か見比べての購入でしたが、逆に隣の美品扱い(値段も少し異なる)方が逆に小スレあったんですけどね・・特にシリアルの若い、古いでもなさそうですし、たまに店舗の査定がよくわからんときあります。よくネット情報などで大手の店舗で購入してもハズレがあると聞きますが、自分はAランクや美品でなくともダメだったことはありません。まぁ一応多くのレンズを扱っている業者が一度目にしたもので、それなりのランク付けで売られているという点ではオクやメルなどよりは安心かなと。

Leica M4+Summilux 35mm f1.4 ASPH
特にスレもないし状態よいです

あと最後に触れておきたいのはサイズ感と重さ。1つ前のSummilux遍歴でも言いましたが、前の世代のSummilux 35mm ASPHを所持していたことがあるのですが、サイズ感が格段に良くなっています。1cmほど全長が短くなっています。またフードも金属製でしっかりしており、キャップも外れにくくとてもよいです。そして重さ。本レンズは重さが320gとなっているのですが、現行50mmより(数グラムですが)軽いんですよね。重さとしてはこのくらいが限界かなと思っていて、取り回しもよいですし、非常に扱いやすいです。

さて、いろいろ家庭の事情がとか、嫁になんたら言われたとか、子供が云々とか言ってきたわりにこんなもの手に入れてどうなってんだって話なんですが、本当にこれだけで済むのかというのが問題なのです。まさか次のものが控えているとはね。

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個人的な記憶とNOKTON 35mm F1.2 Aspherical III VM 作例

さて、ボディは一段落ついているわけですが(まったく落ちついてないw)、久々にレンズのお話でも。

Voigtlander(フォクトレンダー)レンズについてです。日本のコシナ製レンズなのですが、ライカMマウントのレンズを高クオリティで生産してくださっているメーカーです。ライカを使用しているユーザーには馴染み深いメーカーですし、最近はソニーEマウント向けにも高性能なレンズを供給してくれています。自分はライカメインで使用してきたので主にMマウントしか語れないのですが、非常に信頼性の高いメーカーであり、ライカーユーザーにとってはそれと反対に複雑な気持ちも抱きがちなメーカーでもあります。

個人的にはコシナさんとの付き合いは、Nikon Fマウントの58mmF1.4レンズまでさかのぼります。私がNikonを使用するのは今となっては意外ですが、一番最初に買ったデジタル一眼はNikon D5300でした。今から思うとど真ん中のエントリー機なわけですが、写真をはじめたいなと思った頃、カメラにもそれほど詳しくなく、ある程度調べて良さそうなものがこれでした。値段的にもギリギリ自分でも購入できるラインで、レンズキット、おそらく・・・「18-140 VR レンズキット」あたりかなと思うのですが。それほど極端な望遠(300とか)にしてなかったと思うので。物心ついて、というには年齢がかなり行っていましたが、自分の意思できちんとしたカメラを買うのははじめてでした。そのすぐ後で、単焦点レンズというのが高性能で写りがよいということを知り購入したのが、この58mmF1.4レンズでした。確か中野の某店舗で買いましたね。はじめての単焦点ということで、ボケの良さに感動して、色々撮っていました。このときの経験からコシナ製レンズへの信頼感は醸成されていました。

その後すぐにフィルム沼、ライカ沼に入ってしまい、デジタルではしばらくオールマイティーに使えるソニーのα7IIを使用していたのでそれ以降Nikon機を使う機会は未だに訪れていません。

さて本題のフォクトレンダーレンズですが、その後、最初のライカM6(ブラックのTTL)を入手したとき、Nokton 35mm F1.4(旧版)を手に入れて使っていました。このレンズ、当時もかなり人気のレンズでしたし、サードパーティ製のライカ向けレンズとしてはかなりクオリティの高い製品でしたが、今となっては旧バージョンとなっており、後で知りましたがフォーカスシフトなどもあって、今から思えば値段なりのもののようです。とはいえ、当時、このレンズで撮った写真に個人的に気に入っている写真が多く、よくある話かもしれませんが、素人のビギナーズラック的なショットがたくさんあります。今はこの頃のようには撮れないのかもしれません。話が前後しますが、この35mmの前に、旧バージョンのL39マウントのNokton 50mm F1.5も入手していました。これは新宿の地下にあるお店で買ったのをよく覚えています。はじめてあのお店で買ったものです。これがまた非常によく写った。ボケの綺麗さ、作りの良さ、とてもよかった。この2本のレンズがさらに私のコシナへの信頼感を高めてくれました。

その後、本物のライカレンズ沼にどっぷり浸かってしまい、しばらくコシナ製レンズから離れてしまいました。冒頭で、ライカユーザーが少し複雑な気持ちを持っていると述べましたがこのあたりについてです。ライカは伝統もありますし、多くの伝説もあるメーカーです。それに値段の高さから素人は手に入れにくいですし、本物のプロが好んで使用していたり、アマチュアのカメラ好きの心をくすぐる側面が多くありますが、コシナ製レンズはそうなると廉価なサードパーティの位置にどうしても据えられてしまう。自分も当時は、やっぱり本物がほしい・・・ということで、躍起になって無理をしてライカレンズを手に入れていました。まぁここで哲学的な方向にいってしまうほど若くはありませんが、ここで言う「本物」ってなんだ?とは正直思います。ライカレンズの値段の高さやクオリティは、ある程度経験してきてわかっているつもりです。撮れる写真にある程度違いを感じることもわかっていますが、それと何をどう撮るか、撮ったあとの処理をどうするか、撮った作品(自分で撮ったものは自分の中では作品でしょう)をどう提示するかはまた違う話だとも思います。そういう意味では全然話かわってしまいそうですが、森山大道さんとか、カメラなんか写ればなんでもいいよと言ってしまうかっこよさもわかります。そういう意味ではライカにも賛否ありますし、否定するとなんとなく貧乏人の僻みにも聞こえてしまう。この歳になって、こういうのは人の意見はまったく当てにならないと思うようになりました。あくまで自分です。その行為、撮るという行為をする自分、それだけが必要なのだと思いました。

話が横道にそれました。そんなこんなで、さんざんライカレンズを入手しては妻に苦労を(本人に自覚はないと思いますが)かけてきた私が最後に選んだのはこのレンズでした。

「Voigtlander NOKTON 35mm F1.2 Aspherical III VM」

入手前に個人的に考慮したいポイントは何かと考えました。よく写ること、35mmであること、作りがよいこと、リーズナブルであること、そして明るいレンズであること。そしてもう1点、コンパクトであること。なかなかに贅沢な注文かもしれませんが、それに一番マッチしていたのがこのレンズでした。

いまこのレンズを検討されている方がいるとしたら、私が上記にあげたポイントとほとんど同じようなことを考えていらっしゃると思います。おそらくある程度、それは叶えられるのではないかと、使ってみた実感から思います。

最後にコンパクトという点をあげましたが、とはいえ、ライカの例えばM10-Pなどで使えば、レンズ本体が332gということで結果的には1kg程度にはなりますので、ずっしりした感じはあります。300g台としては純正レンズであればSummilux 50mm ASPHあたりもこれくらいの重さなので、お持ちの方はイメージできるかもしれません。銅鏡サイズはLux 50mmよりは少し太め。これは人によるかもしれませんが、コシナレンズのデザインはとても洗練されていますし、リング操作がとてもしやすいため、この少し太めなサイズがちょうど操作しやすい気がします。まぁデザインはともかくサイズは光学性能とセットで検討されるべき部分だと思うので、これが現時点での答え、ということなのでしょう。

ちなみに旧バージョンの第2世代との違いは公式の説明だと以下になります。「(旧製品/第2世代から)定評ある光学性能はそのままに、全長は約20%減の50.5mm、重量は約30%減の332gとコンパクト化を実現」

写りについては、とても素直によく写るレンズだということ。こう書いてしまうと凡庸とも受け取られかねないのですが、それは違う。ライカレンズのめんどくさいところは、変なクセがあったらあったで、それが個性として確立してしまう点ですが、そういった変なクセは少なく、素直に写るという点がとてもよい。レンズにそれ以上、何を求めるのかです。よく言われるように日中にF1.2の開放を使う場面はそれほど多くありません。ちょっと薄暗い場所などでうまく使えるかなという程度。個人的には夜の散歩で使う場合は、F1.2のシャッタースピードを60固定で近所を撮っていましたが、かなりよく写ります。昼間だとふわっとした感じにはなりますが、露出がマッチしていればF1.2でもかなりシャープ。絞ればやはりシャープに素直によく写ります。私はフィルムをメインにしていた期間もあるため、デジタルでも昼は絞って撮るクセがついているのですが、それで駄目だと思ったことはありませんでした。

まぁ35mmでこの性能なので、フォトヨドバシさんとか、マップカメラさんのこのレンズのレビュー記事などでも記載がありますが、フリンジは多少でるわけです。しかし私はライカではDNG保存のみの設定にしており、jpg撮って出しはしていなかったため、Lightroomで低減させることができますし、どのレンズでも多少でるものなので、大きなデメリットにはならないでしょう。私はライカM10-Pで使っていましたが、まさかjpg撮って出しで写真撮ろうとか思っていませんよね?少し挑発的でしたでしょうか、申し訳ありません。デジタルのM型ライカではjpgは少しきびしい気がしています。面倒でもデジタル現像をした方がいいと思われます。フィルムでも自分で現像していたので、その手間を考えるとなんてことない。


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この35mmF1.2レンズを一時期、フィルムでも使っていましたが、フィルムも素直で使い勝手がよかったです。フォクトレンダーレンズは色の出方が素直なので、そういう意味ではオールマイティーで、そこに価値を見出せれば、変にクセのある高いレンズを買う必要はないように思います。Summicron 35mmとかも高性能ですけど、撮ってしまえば普通に写るレンズ、という感じですし・・。

ちょっと散漫とした内容になってしまって申し訳ないですが、自分がこのレンズに期待していたのは、F1.2という明るさは夜撮影でも耐えられることを想定して、昼間は絞って目の前の風景を冷静に切り取りたかった。それをきちんと叶えてくれたので、自分にとってはこのレンズはとてもスタンダードだと思いました。

以下、作例を掲載します。夜のショットはほぼF1.2か1.4あたり、かなりシャープです。昼はだいたいF5.6、F8、たまにF4あたりとか、薄暗いとF2.8あたりかなと。昼でも木陰の桜などを撮るときはF1.2とかで撮りましたが、背景ボケとかかなり美しく自然です。

以下にいくつか個別に写真を配置します。上の例も含めて一部飛行機での写真などは先日、私用で九州へ伺った際のもの。旅行などでも取り回しやすかったです。あと、そうそう、これをお伝えしなければ。このレンズ、最短が50cmであり、ライカの70cmより短く設定されています。ただしライカは70までしか対応していないので、ライブビューなどを使って50cmまで寄ることができます。そういった点もメリットかもしれません。(寄った作例は無いわけですがw)

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