初心にかえる、現行Summicron 50mm

えー、7月頭に、現行Summicron 50mm f2(6bit)を手に入れました。

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金がないとか、いろいろ事情がとかいいつつ、びょうきなので、ついついよい出物があると思わずチェックしてしまったり、支払いシミュレーションをしてしまったりしています。ビョウキですね。

個人的にこの現行ズミクロン50mmの入手は2回目になります。今回は6bit付き、といっても現在、デジタルを持っていない自分には無用ですが、少しでも新しいものを、と考えるとbit付きを持っておきたいのが人情かなw。以前、私の過渡期、というかずっと過渡期なんですがw、現行のSummilux 50mm ASPHを手放した直後に50mmの穴埋めとしてbitなしを入手したこともありました。当時はM10を使っていたので、改めてやっぱ写りいいよなぁと思っていました。ただしその後の紆余曲折で手放し、今回2回めの入手となりました。最近はオールドばかり使っていたのでたまには現行のシャープな写りがほしくなりました。

予算もなかったので割と長いあいだ物色していたのですが、たまに状態がいいものが出てくるものの、以前よりは数万程度、相場が上がっているなという感じ。いくつかよいものもあったのですが、そこは我慢しているとさらにいいものが出てくるもので、元箱付きのほぼ新品に近いものがかなり相場より安くでてきたので即決しました。純正フィルターがついていたのはありがたかった。ほんとに傷もぜんぜんなくて、とてもいい状態。

7月中旬、伊豆下田に旅行にいきました。以前から予定していたのですが、梅雨の時期にかぶるため天候が心配でしたが、その日に梅雨明けが宣言され、最高の旅程となりました。この旅のためにこのレンズ入手したようなもの。旅先ではとても活躍してくれました。さすがに安定した写りで、下田についてすぐに見つけた猫ちゃんを撮りました。場所もよくてかなり良く写ってくれました。(他の作例には下田、伊豆、熱海あたりのものから、学芸大、横浜を散歩したときのものが含まれています)

下田の猫ちゃん

私とズミクロンの遍歴については過去記事(ズミクロン遍歴)をご覧いただくとして、久々の現行レンズ、やはり一本は持っておきたい。少しだけ過去(沈胴よりあとの流れ)を遡ると、初めて手に入れた黒銅鏡レンズはズミクロン3rdの50mm。これもかなり状態がよく、その後のズミクロンに対する印象を決定付けました。70年台からのレンズとはいえ、ニュージェネなレンズですし、現在の仕様とほぼ同じですしね。その後、ズミクロン35mmをメインとして7枚玉、現行ASPH35mm、その後に旧ASPHなど35mmをメインとして、一時期今回と同じ現行50mmのBitなしを使っていました。そう去年の春ごろですね(悲しい思い出を写した写真もあるのですが、とてもシャープな写りでした)。

その後、いろいろあってSummiluxやフォクトレンダーなどを経由して、そして今回、久々に現行50mmに戻ってきました。

ズミクロンって不思議で、一般にライカの標準レンズといえばコレ!という位置づけでありながら、一種の廉価版的な位置づけにもなってしまって、それは他に高価なレンズがたくさんあるからってのもあるんですが、かといって写りが平凡なわけではなく、それで完成している感じがする。なのでこれだけを持っているとこれでいいや、になるレンズだし、他にも色々もってしまっていると、他のレンズがメインになってしまう。かといって持っていないと寂しいし、という人間の欲望のバランスをくすぐるような位置づけのレンズだなと思います。

自分はここ最近の記事でも書いたようにいろいろ家庭の事情もあるので、あれもこれもは買えないため、久々に状態のよい現行レンズを手に入れたってだけでうれしいわけですが、使ってみると50mmはこれでいいんじゃないと改めて思いました。ただこれが他にやれSummiluxだ、ノクチだ、アポズミだ、となるとどうしてもそっちメインになってしまう。多くの華やかで高額なレンズがでている現状の中では少し地味な存在になってしまっていると感じます。だけど、性能、バランスは非常にいい。そこが少し不遇ですよね。

しかもASPH華やかなりし現代において、現行レンズで球面。しかも一応光学系が70年代に作られた第3世代から変わっていないという。その点も、現行といいつつちょっと古臭さを出してしまっている要因かもしれない。もちろんコーティングとか仕様をまったく変えてないなんてことはないと思いますが。それにお金持ちはどうしてもアポズミが気になっちゃうでしょ?

あと初代のズミクロンの評判がよすぎてってのもかわいそうかもしれません。いまからズミクロンを手に入れようって言うと、おそらく最初に惹かれるのは沈胴の方。最近、状態のよいものがすくないせいか、かなり高くなっていて、自分の感覚からすると3倍くらい値上がりしています。昔はそこそこのが5万前後だったんですけどね・・・。現行かうなら初代の沈胴ってイメージ。だけど、その間をとって第2世代とか、第3世代とかを探してみても、ほぼ現行に近いくらい値上がりしてしまって、正直それなら現行の方がいいじゃんになっている。ライカレンズが人気なのはわかるんですが、最近の値上がりはちょっとバブルだなぁと思います。古い玉はもう手に入らないという点ではプレミアになるのは理解しつつ、特にズミクロンの位置づけは汎用レンズだったわけだし、数もそれなりにあると考えると、現状の値段だとちょっとね・・・と感じる。とはいえ、いわゆる普通に写真を撮りたい、安心、安定して撮りたいという点では、比較的安価に手に入るレンズとしてはこの現行50mmは最高ではないでしょうか。

そして、このレンズ、個人的には長い付き合いにしようと思っていいましたが、いつもの悪い虫が動き出しました(笑)。多分これは◯なないと治らないんだろうな・・・。このレンズ、今はもう手元にはありません・・・。どうしてこうなったのか・・。次のレンズのご紹介が控えております。久々に大物なんですよね・・(笑)。

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エルマーをめぐる冒険

最近、手元のフィルムMが2台(M4、M6)ともに入院してしまい、その治療費に莫大な費用がかかっていることもあって(支払いこれからだし、というかもう1台M4買える金額だし・・)、あまりいろいろと購入欲がでていなかったのですが、「Elmar 35mm f3.5(1941年製)」を購入しました。

elmar 35mm f3.5 + Leica CL
elmar 35mm f3.5 + Leica CL
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最近、ライカレンズはありがたいことに現行レンズをメインに使っており、オールドはあまり触れていませんでした。以前はエルマーや沈胴Summicron 50mmも使っていましたが、いまさらオールドレンズもなぁ・・・という感じでした。

しかし現行レンズを一周して行きついた境地は「人はエルマーにはじまりエルマーに終わる」でした(笑)。たぶん頭おかしい・・。自分も最初にエルマー50mmを使ってライカの写りに感動したこともあり、またあのレトロで作りのよいレンズに触れてみたいと思うようになってしまいました。正直、カメラ、レンズ趣味の一番怖いところ。ほんと終わりがない沼です。バカみたいって思ってしまう。

今回は手に入れたElmar 35mmの紹介をしたいところですが、過去のエルマー(主に50mmですが)について思い出を語っていきたいと思います。こういう書き出しだと長いかも・・・。

1本目のライカレンズ Elmar 50mm F3.5

本ブログの一本目の記事で、はじめて購入したのがバルナック型のライカIIIfだったという話をしました。最初は安い東欧レンズ、確かジュピター8とか、別のだったか・・を使っていましたが、どうしてもライカレンズを使ってみたくなりすぐにエルマー50mmを入手しました。実用レンズといいつつ、後玉の隅に傷が入っており、特に逆光時に変なフレアが入る状態でした。部屋を探して、当時1〜3本目に撮影したフィルムを発見。

バルナックで撮影した1本目のフィルム。

当時、天候がわるく室内で試し撮り。F3.5がどうのとか、露出の仕組みとかまったく理解していなかったのでかなりアンダー。露出やF値も適当、それでも開放なら行けるかと思い、夜でも躊躇なく撮影。とはいえちゃんと写っていることに驚いた。このレンズは後玉の隅に傷があり、端っこに乱れたフレアが出る。2015年頃の話。余談だがこの5年で使った金額はあまり考えたくない。普通に新車が買えてしまう、恐怖でしかないw。ともかく数年ぶりにこの写真を見直して、やっぱり質感がいい・・・。

そして2〜3本目に撮ったフィルム。1本目の現像から翌週あたりの日付だったので、そう判断した。ここで自分がライカにハマってしまう写真が撮れた。なんてことない近所のスナップだが、個人的にとても好きな写真。フィルムの1枚目、First of roll。仲睦まじい鳩2匹。2枚目はちゃんとフォーカスしている。相変わらず左上に少しフレア(ゴーストといえばいいのかな)が出ている。

思えばこのあたりの写真が撮れてしまったので、ライカレンズの独特の魅力にハマってしまった。機材を手放しても、結局このときの感動、描写、質感に触れたくてまた手にとってしまう。

それからは休日に近所を散歩したり、代官山、中目黒などを撮影して歩いた。おそらくあの瞬間は都内でも屈指のおしゃれ野郎だったに違いない(笑)。なんていってもその頃には純正のユニバーサルファインダー「VIOOH」なども入手、レンズにも純正のフードをつけて、バルナックのフルアーマーを下げて都内を歩いていた。当時はまだ若い子でフィルムカメラを下げている子は少なかった。日中であれば中速シャッターで何も考えずに撮ることができた。

当時このコンビで撮り歩いていた

2本目のエルマー50mm

バルナックはその後、金策のためレンズごと手放してしまう。紆余曲折あってライカM6を入手した。最初はフォクトレンダーのレンズなど使っていたが、やはり純正のものが使いたくて再度エルマー50mmを購入。これは店舗で3本くらいの中から適度なものを選んだことで状態はよかった。しかしこの頃から頭がおかしくなり、オールドレンズのF値設定の使いづらさとか、もっと現代のレンズが使ってみたいという気持ちが高まり、すぐに手放してしまう。一方では沈胴SummicronやSummicron 50mm 3rdあたりを使っており、特にSummicronの第3世代は現代的なシャープな写りだったこともあり、オールドレンズは流石に見劣りしてしまうように感じて、すぐ手放してしまった(ズミクロンについては別途ズミクロン遍歴に記載しています)。

3本目のエルマー50mm

デジタルでα 7IIやライカM-P Typ240あたりを使うようになってまたElmar 50mmを一度入手しています。なんだろう、当時の最新デジタルを使って、比較的、最近の(半オールド?)レンズを使って撮ると、普通に写りすぎるくらい写る。それに飽きてきたのかもしれない。贅沢がすぎてデジタルでもオールドレンズの味みたいなものを試してみたかったのか・・・。ここで入手したElmarは噂のレッドスケール、赤エルマーです。外観、レンズの状態もとてもよかったのですが、かなり格安で入手できました。ただこの時期になると、気持ちがもっと現行の高性能レンズへと行ってしまっており、SummicronやSummilux 50mm(2nd)など経験して、オールドはF値の変更も面倒だし・・もっとシャープに・・・などと考えて手放してしまいました。今思うとかなりもったいなかったのは、ほとんど試写くらいで放出してしまった。・・・ビョーキ真っ只中だったけど、今思い出すとそのあともっと症状重くなってるんですよね・・・。

そしてエルマー35mmへ

それからしばらくはオールドレンズには手を出しませんでした。現行レンズ集めに躍起になってそれどこじゃなかった。そして今回、エルマー 35mm f3.5を入手しました。1941年製で、今年ちょうど80歳。奇しくも自分の母親と同じ年でした。別にそこで愛着がわくわけではないけれど。まずは外観から。(前置きなげぇな・・・)

非常に軽量・コンパクトで取り回しやすい

現在M型がすべて出払っているため手元にはライカ CLしかありませんが、これがまた、「コンパクト×コンパクト」で大正解という感じ。最近はずっとこのコンビで撮影していますが、もうこれでいいんじゃないかなと思わせてくれる。暗いF値に目をつぶればこれほど有用なレンズはないのではないか。それに写りも定評のあるエルマーです。ある程度シャープに、それでいて程よい余韻を残す写り。最近は現行レンズばかり使っていたので、全体的にシャープなものに慣れていたのですが、どちらがよいということでもなく、たまにはこういう肩の力が抜けた描写もよいと思いました。それと、久々にこの年代のレンズに触れて、こんなに金属の質感よかったっけ?こういう質感の良さもライカのオールドレンズが好まれる理由の一つですね。

あと過去の経験からある程度、夕方や夜でも写るのはわかっていましたが、この35mmもある程度いけます。夜メインの撮影はしづらいでしょうが、ある程度光源があればそれなりに写ります。モノクロでも早く試したいのですが、最近カラーばかり撮っていたのでまだ試していません・・現像が面倒でw)

以下、最近の作例をいくつかご覧ください。大体フィルムはKodak Gold 200です。

上記が購入した帰り道に撮った一本。新宿の駅構内から郊外の夕焼けへ。だんだん空が暗くなりかけて、どうかな?撮れるかな?と思いましたが、杞憂でした。フィルムの粒状感はでていると思いますが、いい雰囲気で撮れています。以下、その後に撮ったものも置いておきます。

上記は昼に近所を散歩したときのもの、または早朝の散歩で撮ったもの。逆光だとやはりゴースト、フレアは出るのですが、角度によってはうまく光を捉えることができる。このレンズ、写るかどうかで言えば圧倒的に写るし、とてもよい描写をします。確かに現行のSummicronやSummiluxとの比較はナンセンスですが、そういうシャープさではなく、十分なコントラストを持ちつつ、背景やボケ、無限のときの対象が自然とふわっと写る感じは目視でモノを見るのに近くてあくまで自然。

オールドレンズは集めだすとキリがないし、それに状態がよいものを集めるのも困難ですし、トライエラー(何度も買って売ってを繰り返すことw)が求められます。とても困難な道でありながら沼に落ちる人が絶えないのも頷けます。それにライカのオールドレンズのよく写るのにコンパクトです。だからボディが最新のデジタルになっても人気があります。最新センサーでフィルムとはまた違った描写を楽しめるのはいいことですね。そこがこの沼が深くて怖いとこでもあるんですが・・w。

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