ライカレンズ「Summicron」遍歴その2

前編はこちら:ライカレンズ「Summicron」遍歴その1
11/6 ライカレンズ「Summicron」遍歴その3を公開しました。

Summicron 50mm 2nd(第2世代)

Summicron 50mm第3世代を持っているのに、なぜ?。

そう、ライカと付き合いだしてから自らに「なぜ?」と問うことが増えました。しかしいつもモノを手に入れてから自問するため意味はないのですが。
もっともらしい理由を考えると、第3世代は現代的な写り、一方で1つ前の第2世代は少しコントラストが低くオールドな写り、とどこかの記事で読んだことがありますが、その違いが私の好奇心をくすぐったのでしょうか。
ライカレンズにまつわる言説は、レンズごとの特色をうまく説明するためのレトリックでしかないとも思えるのですが、それを確かめられずにはいられなくなるのがライカ病の怖いところ。

このレンズ、メンテナンス後に短期間で売却したため、作例が残っていない。記憶ではいくつかあったはずだが、手元のデータフォルダになかった。(察していただけると幸いですw)
<追記>
試写はメンテナンスが終わったあと少し行った。そもそもメンテが必要という状態だったわけですが、外観は非常に美品だった一方、レンズ面はカビ、汚れがひどく、絞り羽根の赤錆がレンズに落ちている状態でした。見た時はゾッとしましたが、頭を切り替えてメンテに出すことに。見事レンズ面は実用というところまで持っていきました(羽のサビもきれいに)。写りですが、夕方の風景を撮ったのであまり全体的な評価にならないものの、シャープさ、コントラストはとてもよかった記憶があります。夕焼けもきれいに赤がでていた。<追記終わり>


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Summicron 35mm 7枚玉

どこかで触れようと思いますが、あるタイミングで私は、Summilux 50mm 2ndを入手していました。この経緯がかなり苦しくもうしばらく自重しようと思っていましたが、直後にSummicron 35mm 7枚玉を手に入れる危険をおかしました。正直「あぁ、びょうきなのかも・・」とも思いましたが、今となってはどうでもいい。その頃、Summicronの35mmが猛烈に欲しくなっていました。


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当時はスナップも意識し35mmのライカレンズにあこがれていた。値段的にSummiluxは対象外でした。またSummicron 35mmのASPHに憧れたものの、値段的に入手しやすいのは初期の6枚玉あたり、その間で揺れていた。おそらくこの頃から、ライカレンズの「◯世代」というのは意識するようになった。6枚玉もよいですが、仕様がいくつかあり、初期のものは使いづらそうというイメージで敬遠した。そして、写りもよく、偏愛する方もいるほど評判のレンズは「7枚玉」。しかし当時どこにも在庫を見かけなかったし、かなり値段も高かった。ただ欲しいと思ってみてみると出てくるもので、割安のものをみつけ衝動的に入手した。

外観は相応に傷、汚れがありバクチだったが、自分の見立てではレンズは問題ないと判断した。結果的には実用品としては十分。レンズは後玉周辺にごく薄いくもりがある程度で実写に影響なし、大きな難としてはピントレバーが削れてシルバーむき出しになっている、文字のあたりが汚れてかすれている、という程度。これが非常に活躍した。このレンズの活躍がさらに私をライカ沼へ引きずり込むことになった。

その後現行ASPHなども経験した身からしますと、この「7枚玉」が歴代で一番好きです。とにかくよく写るし、きれいにボケるし、シャープに写るしで、フィルムでもデジタルでも活躍した。デジタルで撮ってもオールドレンズという感じはまったくしませんでした。とてもシャープでコントラストがよい。モノクロでも気持ちのよい陰影を作り出す。歴代レンズの中でも小型・軽量で使い勝手も抜群によい。このレンズはわりと長く使用して、その後自分の結婚式やバリへの旅行へも帯同、一番活躍したレンズとなりました。

以下、フィルムでの作例。後半はバリ、ヌサドゥアでの写真。

このレンズは使い勝手もよく、多少レア玉でもあるため手放さないと思っていましたが、諸事情により手放しました。(その後、値段が異常にあがって30万前後出さないと手に入らないレンズになりましたね)。よく考えるとその値段なら1つ前のASPHが買えてしまうという。いまの個人的な判断としては、実用を求めるなら旧ASPHを購入する方がよいかもしれません。

Summicron 35mm 現行ASPH(フードねじ込み)

最新の現行レンズがほしい・・・。もう頭おかしいですよね。

Summicronの現行ASPHレンズを入手しました。新品のレンズ、正直きもちがいい。最新レンズなので6bit付き(正直なくても困らないですが)。なにが正解かって、最新のレンズを使うのが間違いないはず。とにかくよく写る、使い勝手がよい。

まぁ個人的には前が小型・軽量の7枚玉だっただけに、レンズが少し大きくなったこと、金属製フードのサイズが大きいため、多少かさばるようになったこと、それが総合して重量が増えたことなど、多少のデメリットもあった。個人的にはフードは7枚玉~旧ASPHの四角いプラ製のがよかったが、あれはあれでフードキャップが安っぽく取れやすいので一長一短かなと。いずれにせよ、現行ASPHは気持ちよく使える、フードカバーも上からかぶせるタイプで落ちにくい、とてもよいものでした。

当時使っていたのは現行フィルム機の「ライカM-A」。最新同士の組み合わせにご満悦ではあったのですが、どうもピンぼけするなということで、よく調べると距離計がずれていました。これを最初、最新ASPHだからフィルムと合わないのか?など考えましたが、色々考えて距離計のメンテナンスを行いました。ピンぼけはそれで治ったといえば治ったのですが、それでも、以前のM4と7枚玉の組み合わせのような気持ちのよいシャープさ、きれいな色のりがでない・・・(レンズは距離計修正のときに問題ないとお墨付きをもらっていた)。

これがどういうことなのか考えてかなり悩みました。ASPHがフィルムと合わないのか、機体が悪いのか、もしくは逆に「7枚玉」がとても良すぎたのか・・・。ここでよぎったのは、昔、ライカM5を正規のメンテに出そうとして出てきた見積もりのこと。3〜4ヶ月ドイツ送りで25万。もちろんM5にそんなにつぎ込んでいません。正直、この時点で手持ちの機材にそんな追加投資ができるわけもなく・・・。機材を信じきれなかったということなのでしょう。他にもいくつかストレスを抱えていたこともあり売却を決意しました。こういうのは即断、即決です。サンクコストもばかにならないので冷徹さも必要なのだと思います。

そして、その代わり迎え入れることになったは、Summilux 35mm ASPH(Non-fle)。非常に状態のよいものが安くでていたので、F1.4の35mmを求めていたこともあり購入。事前にフォーカスシフトについては色々と情報を得ており、自分のようなスナップ的な使い方であれあまったく問題ないことはわかっていたため、非常に満足の行く流れになりました。この35mmは非常に過小評価されていると思います(Summiluxについてはいずれお話します)。

ただ、売却からしばらく経ってあることに気づきました。手元の現像液が少し古くなっていたこと。現行のASPHレンズをバカバカしい理由で手放してしまいました(ここでM-Aも・・泣)。

Summicron 50mm 4th現行(フード組み込み)

以前から、Summicron 50mm 第4世代は気になっていました。小型でスタンダードな50mm、それにフード組み込みで使い勝手もよさそうです。シャープさについてはもう何十年もスタンダード。

他のレンズで満足していたため、なくても困らなかったですし、逆にそこまで追加投資できなかったわけでもありますが、手持ちのSummilux 50mm ASPHに悲しい事故があり・・・私のもとではよく起こりがちなのですが・・・あれは悲しかったなぁ(遠い目)。

やっと手に入れてメインで使っていた現行のSummilux 50mm ASPHを手放さなければならなくなりました。このとき手持ちの50mmがなくなってしまうことから急遽入手したのが、この第4世代でした。変な話なのですが、このSummicron 50mmを私に売ってくださった方のところに、その後、Summilux 50mm ASPHが嫁いでいきました。なんだか政略結婚みたいな感じ。要はその差額で私は命拾いし、転んでもただでは起きない精神で、Summicron 4thを手に入れたと。

とにかく現行Summicron、写りに関してまったく不安がない。50mmのSummicronは3rd以来でしたが、フード組み込みなので小型で使い勝手もよく非常に取り回しがいい。Summicronがこれ以上でも以下でもないというポジションを長年得ていて、それこそ以上でも以下でもなく使えるレンズだ、というのは手に入れてみた方ならわかるはず。写りはシャープ、コントラストもよい、よく写る、ボケる、小型、軽量、フード内蔵。これ以上なにかいりますかね?

久々に手に入れてみてフィルムでもデジタルでもシャープによく写る。スナップ、旅行、日常風景、オールマイティに活躍する。他のライカレンズより比較的入手しやすい値段ですが、決して廉価版レンズではなく、すべてこれで事足りる程クオリティが高い。目移りさえしなければこれ1本でアガリ、でよい気がしています。

しかし(おや不穏な空気が・・・)、私はSummiluxを手放してしまったことを後悔していました。それは直近のASPHのことではなく、もっと以前に持っていたSummilux 50mm 2ndのこと。私はこの2ndをかなり気に入っていました。あの独特の描写、明るさ、若干残るオールド感。一度、最新のASPHレンズを経ているからこそ、あのレンズが恋しくなる。そこそこ古いレンズですが、作りがとてもしっかりしているのも知っています。持っていたのは、少しリングにガタもあり、外観も少し難のあるもの、グリス抜けもありました。それでも使い勝手、描写はとてもよかった。2ndを手放してから、相場が一気に上がってしまいました。以前より+10万程度の値上がり。もう入手はむずかしいなと思っていたのですが、適度なものが出てきてしまった。こういうとき、ノルかソルかで乗れない奴はダメだと思う(笑)。即決、いちいち躊躇してたら手に入らない。

現在は50mm、35mmのSummiluxをメインにしており、フィルムもデジタルもまったくもって満足しています。おそらくレンズ沼は・・・年齢的にも金銭的にもここが終着点かなと思います(6/16追記:この発言の2週間くらいでそれを覆すんだもんね・・w)。最新のSummilux 35mm ASPHはおそらく値段的に無理だし、他の機材なげうって入手するほどでもないと思います(宝くじが当たれば・・・)。・・・・あぁ今回はSummicronが主役なのでまた別の機会に。

といった感じで、いま手元にはSummicronはなくなってしまったのですが、この後の人生でもしまたSummicronを手に入れるなら1stの沈胴かな・・。いまは状態のよいもの少なくなりましたね。あとはもう一度、35mmの7枚玉か・・これもASPHより高い場合あるのでどうかしてますね。って、ぜんぜん終着駅じゃないw。




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Rollei 35S、本当に気軽にスナップできる。

何が一周したのかはわかりませんが、
最近入手したのがこちら、「Rollei 35S(ローライ35S)」になります。

どうしても小型のお散歩カメラがほしく、ここへ戻ってきました。というのも以前、ローライ35自体は一度手に入れて使ったことがあったからです。今回はゾナーレンズ、F2.8のタイプ「ローライ35S」を選択しました。

普段フィルムはライカM4を使っていますが、どうしてもサイズ的に大きく、重いと感じることもありました。それに昨今、都心部での街スナップは大きなカメラ、レンズを不用意に構えるにはナーバスになってきています。もちろんライカMは他のものよりは本体もレンズも小型でスナップ向きと言われていますが、都心ではそれでも躊躇することが、私の場合はありました。

そこでもう少し小型で、細かいことあまり気にしなくてもよいフィルムカメラを・・・だけどプラ製のAF機とかではなく、自分でシャッターチャージして撮ってる感じのするもの・・・となると自然とこのローライ35に向かいました。以前いくつか所持していたのですが、昔のAFコンパクト機は軽いし性能も申し分ないのは理解しつつも、あまりに簡単に撮れてしまうため、つまらんというのが本音です。名機CONTAX T2ですら、あのおしゃれなデザイン、高級感のある外装、使い勝手の良さ、写り、心地よい機械音などなど、人気があるのも頷けますが、ボタン押してさっと撮れてしまうのでなんだか味気ないんですよね。贅沢病かもしれません。
ということで、マニュアル操作で、写りがよく、壊れにくい、もしくは修理のしようがある機械式、とだんだん扱いが面倒くさいものを好むようになってきました(笑)。

以前、持っていたローライ35はテッサー40mm、F3.5のレンズがついたタイプで、一般的にはこの仕様の方がメジャーかもしれません。
今回のローライ35Sは、ゾナー40mm、F2.8のレンズ。一般にはテッサーF3.5の方が好まれることもあるようですが、使ってみたところこのゾナーも写りはとても良好です。個人的にはこっちの方が好きかも。よく考えるとCONTAX T2も同じ仕様のレンズなんですよね(画角が少し違うけど。あと名称が同じだけかもだけど)。このゾナーレンズは、カラー撮影で定評があるようで、自分もカラーフィルムで使用しました。


Kodak カラーネガフィルム UltraMAX 400 36枚撮り(10本パック)

ローライ35は、そのデザイン、コンパクトさ、写りから人気がありますが、距離計がなく目測での撮影という点で誤解の多いカメラでもあります。そこで敬遠されがちですが、使ってみると意外とピントが合うことに驚きます。現代的な感覚からはこの仕様の潔さに驚きますが、少し仕組みを勉強してみるとそれは原始的な写真技術を熟知した上での割り切りだと納得できます。この仕様を現代に受け継いでいるのは「写ルンです」。
最近お若い方で使う人が増えていて話題になったりしますが、これがまさに似たような仕組みだったりします。あれも原始的なのによく写りますね。仕組みの詳細は各自でお願いします。
この際「Sunny16」の法則などを学んでみるのも一興かと思います(私もなんとなくしかアレですが・・)。デジタルでもフィルムでもオートフォーカスとかに慣れてしまうと、アナログな設定が面倒だったりしますが、自分の中で作法を習慣にできれば手間を楽しむこともできるのかなと思います。デジタルにも当然応用できますし。
当初は露出計に電池をいれず、iPhoneアプリや感露出で対応していましたが、先日電池を入れました。なんとなく思っていた通り、露出計は生きていました。またそれに従って撮影したところ、撮影結果は特に問題なさそうなので、ある程度の精度かと思います(モノクロの作例がそうです。暗めのものを選びましたが、他のはわりと普通に撮れていました)。露出計は、天気のよい日中に撮るならあまりいらないかも(あくまで個人の感想)。

最近ネット上などで、路上スナップや街撮りについて語られることが多くなりました。私は人や場所に可能な限り配慮しているつもりですが、とはいえ不用意に大きなカメラを出すことにためらう瞬間があります。このサイズですと手に収まることもあり、気軽に街撮りができる感じがします。またシャッター音もそこまで大きくないため、さっと出して撮ることが可能かなと(小さくカチッと鳴るだけなので心配になりますが、これで結構撮れているのがすごい)。それでももちろん配慮、ルールの範囲ではありますが。元々高級機ということもあり、モノ自体の良さはいいですし、デザインもよいのでサブ機としてはとてもおすすめかもしれません。(載せている作例はなんも考えずに、なんとなくの距離だけ考えて撮影したもの。意外とピント合います。また露出もなんとなく設定。たまにライカM4よりよく写るので複雑w)

今回使用したのは、以下のKodakのカラーネガフィルム「UltraMAX 400」36枚でした。ISOが400と、こういったレンズシャッター系カメラでは使いやすいことと、青が鮮やかにでるので使い勝手のよいフィルムです。(どっかで常用フィルムについてもまとめたいなと思っています。)

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